『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』祐介(野村周平)を絶望の淵から救ったのは……

『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』5話

 「誰かを傷つけてまで、続けたくないんです」

 ABEMAオリジナルドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』第5話。智美(藤井夏恋)が鉄平(三浦翔平)に辞表を提出した。恋と仕事を天秤にかけて、仕事を選んだはずの彼女は、祐介(野村周平)が不慮の事故に遭ったことで、自責の念に駆られてしまったのだ。もしも、あの時別れなければ……そんな”if”に縛られて、智美は目の前にある責任から目を逸らす。

 そこで明かされたのが、鉄平の過去だ。3年前に放送した前作『会社は学校じゃねぇんだよ』(ABEMA)で、キーマンとなった華子(宇野実彩子)への想い。「サイファークリエーション」のインフルエンサー事業に大きく貢献していた華子は、鉄平にとってかけがえのない存在だった。そんな彼女が、事故死した時。鉄平はもがきながらも、仕事をストップすることはしなかった。

 その姿を間近で見ていた華子の妹・雪子(中村ゆりか)は、「C-LIFE」を去ろうとする智美に、こう語りかける。「鉄平さんは、会社にすべてをかけてる。失ってしまった大切なものを背負いながら。その鉄平さんに憧れて、祐介さんは起業したんだよ?」と。たしかに、智美が“祐介のために”会社を辞めたとして。果たして、祐介は喜ぶのだろうか。不甲斐なさを、より募らせるだけなのではないだろうか。そう気付いた智美は、「C-LIFE」を続ける決意をする。失ったものを抱えながら、それでも走り続けると決めたのだ。

 一方で、祐介は絶望の淵に立たされていた。幸い一命はとりとめたものの、何もかも失ったことは変わっていない。恋人、仲間、そして尊敬する先輩まで。すべてが、祐介の手から離れていく。どこで間違えてしまったのだろう。こんなに辛いのなら、もう諦めた方がいいのではないか。戦線離脱しようとする彼の前に現れたのは、鉄平だった。

 毎年日本では、12万社以上の会社が立ち上がる。5年後、生存しているのは15%未満。つまり祐介がいるのは、続かないのが当たり前な世界だ。だが鉄平は、「お前は、当たり前でいいのか?」と問いかける。その言葉には、“お前は、当たり前側の人間ではない”というエールが込められているように感じた。

「なくしたんだったら、また見つければいい。作ればいい。全力で進めば、誰かを大きく傷つけることだってある。恨まれることもある。大切なものや、大切な人を失うことだってある」

 鉄平は、祐介のことをかつての自分のように見ているのではないだろうか。自分も、祐介と同じく大切なものをたくさん失ってきた。きっと、“辞めてしまいたい”と泣いた夜もだっただろう。それでも今、成功を手にできたのは、辞めなかったから。辛くても、逃げたくても、トップに立つ人間には責任がある。会社を支え、社員を守るという責任が。

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