ドローンのハイスペック化の可能性 DJI最新『Mavic 3』シリーズから考察
ジンバルやドローン、アクションカムなどを手掛けている中国・深センのDJIが、新製品『Mavic 3 / Mavic 3 Cine』を発表した。折り畳みドローンシリーズMavicの最新モデルに位置づけられる。
前モデル『Mavic 2 Pro』が発売されたのが、2018年の8月。それからもシリーズ最少となる『Mavic mini』、シリーズ最長の飛行時間を達成した『Mavic Air 2』などのバリエーションモデルが発表されている。今回のモデルは満を持してのナンバリングであり、それだけにスペックの向上が目覚ましい。
『Mavic 3 / Mavic 3 Cine』は、大胆にも2つのカメラを搭載している。カメラメーカーのHasselbladと協業し、メインカメラには24mmの広角カメラを採用。センサーサイズは歴代最大の4/3インチ、有効画素数は2000万画素。サブカメラには162mmの望遠カメラを採用し、こちらのセンサーサイズは1/2インチ、有効画素数は1200万画素。28倍のハイブリッドズームが可能だ。
ドローンにとって重要となる飛行時間も、シリーズ最長時間を記録している。理想的な環境下であれば最大46分の飛行を実現。前モデルよりもアーム、ボディ、ジンバルなどの形状を最適化することで、空気抵抗を35%減少させ、飛行速度も向上している。
また、上位モデルの『Mavic 3 Cine』は、Apple ProRes 422 HQコーデックに対応しており、一般的なデジカメに搭載されている動画機能をしのぐほど高画質な撮影が可能。1TBのSSDを内蔵しているため、外付けストレージ無しに長時間の高画質撮影が可能だ。『Mavic 3』は、H.264/H.265コーデックに対応している。どちらも5.1K50fps、4K120fpsなどの撮影に対応。
こうしてスペックを振り返ってみると、もはや空飛ぶデジカメ、空飛ぶシネマカメラといっても過言ではない。新しいオートフォーカス技術によりフォーカス精度も向上しており、操縦者はより飛行に集中できるだろう。民生品として手に入るドローンカメラとしては、現時点で間違いなく最高の性能だ。
ドローン撮影の可能性は、まだまだ黎明期と筆者は見ている。映像制作の分野ではアマチュアでもプロ並みの空撮が可能となり、さながら映画のような映像撮影が個人レベルでも現実的になってきた。また、ドローンは災害救助や物資輸送の面でも注目されている。上空から被災状況や要救護者を捜索する場合、解像度が高いほうがより細かな場所をチェックできるからだ。ドローンを警備員として活用する向きもあり、この場合も解像度の高さが活きてくる。
日本においては航空法の関係でどこでも自由にドローンを飛ばせるわけではないが、高性能なドローンの登場は空撮の可能性を大きく広げるに違いない。『Mavic 3 / Mavic 3 Cine』で撮影された素晴らしい映像を、早く見てみたいものだ。
(画像=DJIより)
(Source)
https://www.dji.com/jp/mavic-3
https://www.dji.com/newsroom/news/dji-mavic-3-release
https://japan.cnet.com/article/35179063/