五輪開会式のドローンパフォーマンス、1824台を1人で操縦していた?

五輪開会式のドローン演出の秘密

 いよいよ終盤戦を迎える東京オリンピック2020。開会式ではさまざまなパフォーマンスが話題となったが、そのなかでも開会式のドローンによるショーは一際目立っていた印象がある。最近さまざまなイベントで目にするようになったこのドローンショー、実は海外企業の技術を利用したものだった。

PCのチップでおなじみの米企業

 タネ明かしをしてしまうと、東京オリンピック2020のドローンショーで利用されたのは、PCの頭脳ことCPUを製造している米Intelだ。同社のドローン技術「Shooting Star」により、1824台ものドローンが地上から遠隔操作され、本体に搭載されたLEDによって国立競技場の上空に複雑な模様を描き出した。

 実はこのShooting Star、オリンピックで利用されたのは今回が初めてではない。2018年の冬季平昌オリンピックでも、1218台のドローンが飛行している。また、2017年にレディー・ガガが出演したスーパーボウルのハーフタイムショー、それにアミューズメント施設のハウステンボスでもShooting Starによるドローンショーが実施された。

 なお、Shooting Starの利用は一般企業でも可能だ。標準的なドローン200機を利用したベーシックなプランは9万9000ドル(110万円)から利用でき、より高性能なドローン500機を利用したショーは29万9000ドル(約3300万円)から、そしてそれ以上の規模のショーは要相談となっている。

わずか一人で操縦可能

 このように大規模なドローンショーと聞くと、大規模なチームがそれぞれのドローンを操縦している姿を想像するかもしれない。しかしShooting Starは、わずか1人でショーを制御することに成功している。

 Shooting Starではショーの前に、コンピューターでその飛行プログラムを設計する。そして実際のショーではショー・コントローラー・ソフトウェアが各ドローンのバッテリー駆動時間、GPS感度などをチェックし、最適なドローンを選択。そして、1台のコンピューターから数百台、あるいは数千台のドローン郡を制御する。

 飛行ソフトウェアはドローン同士、あるいは地上の障害物とドローンが衝突しない軌道を自動で作成する。また東京五輪では市松模様のエンブレムを表示したように、その表示をカスタマイズすることも可能だ。このようなカスタムプログラムも、数週間で用意できるという。

進化するドローンショー

 Shooting StarではPremiumドローンとClassicドローンの2種類が利用可能。東京オリンピック2020で利用されたのはPremiumドローンで、重量340gの本体に4個のLEDを搭載。標準仕様で11分間飛行でき、秒速11メートルの風にも耐えられるなど、Classicドローンより性能が向上している。これにより、ビルが立ち並ぶ都市部でも見やすいショーが可能になった。

 また東京オリンピック2020のドローンショーでは、ソフトウェアのとハードウェアの改良により飛行の安定性とバッテリーの長寿命化が実施されたという。今後もソフトウェアの改良により、より高度なドローンショーが実施されることだろう。

 ドローン技術の進化により、エンターテイメントの舞台は地上の平面的なディスプレイから、空中での立体的なショーへと移行しようとしている。また今後、民生ドローン大手のDJIなどIntel以外の企業のドローンショーへの参入にも期待したいものだ。

(画像=東京五輪公式YouTube、Intelより)



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