クリエイター&アーティスト・佐藤詩織の創作への想いと愛用品「企画書も香盤表も、全部イラレで作るんです」

佐藤詩織の創作への想いと愛用品

フリーになった佐藤詩織の仕事の進め方とガジェット 

――フリーになってからは、どのように思考の整理をしていますか? 自分のなかで心地良い仕事を教えてください。

佐藤:社会人の方は、パソコンでこう「カタカタカタ」みたいに……かっこいいじゃないですか。でも私にはできないので、まずメモパッドを大事にしています。思ったことをタイピングするよりも、手で書くほうが好きなんですよ。そのほうが書き損じがないというか、全部書けるので。なにか思い立ったことは手書きで残しています。

個展の配置を考えたメモ

  これも個展のときに考えた図なんですけど、会場のなかはこういう風にしようとか。共有することを考えたら絶対にパソコンのほうが良いんですけど、それをやっていると時間がかかってしまうので、まず手書きである程度固めます。メモでいうと、携帯のメモもすごく使いますね。人の話などは携帯のメモに残すことが多くて、メモパッドはなにか自分の思ったことだったり、アイデアが降りてきたときに使う感じですね。

――その先はどういう形で制作を進めていくんですか。

佐藤:Macではイラレ(『Adobe Illustrator』, Adobeが提供しているグラフィックソフトウェア)を使ってよく制作していますね。図を描いたり、ポスターやグッズのデザインもするし、一番イラレを使いますかね。

Adobe Illustratorで描画した個展のロゴデザイン

――イラレで、自分しかやっていないような独特な使い方とかしていますか?たとえばサカナクションの山口一郎さんはイラレで歌詞を書いているらしいですよ。

佐藤:あ! 分かります! いや、分かっちゃだめですね、歌詞は書いていないので(笑)。私も文章を書くときイラレを使うんですよ。Pages(文書作成ソフト)とかはあんまり使えないんです。イラレだったら、文章のブロックを思ったとおりに動かせるし、自分が好きな感じにしやすいですよね。だから、企画書も香盤表も、全部イラレで作るんです。

――ほかにはどういうツールを使っていたりしますか?

佐藤:iPadも使っていますね。iPadはイラストを描いたりするのが多くて、こっちはAdobeの「Adobe Fresco」を使っています。欅の絵(『青春と追憶』という絵画作品)もiPadで描きましたね。 

Adobe Frescoで描いた個展の絵画作品

――MacとiPadの使い分けはどのようにしているんですか?

佐藤:デザインや映像編集はMacで、絵を描くのはiPadですることが多いですね。だから、メモパッド→iPad→Macの順番かもしれないです。メモパッドは手書きできるけど、Macに送るのが大変じゃないですか。スキャンとかしなきゃいけないから。iPadはノートみたいに手書きできるけど、そのデータをMacに送るのが楽。だからアナログなメモパッドとMacを補完するのがiPadですね。 

――佐藤さんはカメラの趣味もありますが、欅坂46時代に撮影してもらったカメラマンの神藤剛さんがきっかけと伺いました。カメラの選び方などはご本人からも教わったのですか?

佐藤:神藤さんとは撮影のときしかお会いできないので、そういうわけではないんですがご本人が撮る写真に感動して。で、知り合いのカメラが分かる人に「どうしたらこういう写真が撮れるの?」と聞いて、それから撮り始めました。

佐藤さんが愛用しているフィルムカメラ「オリンパスXA」と「ニコンUS」

――デジタルではなく、フィルムカメラが好きなのはなぜですか?

佐藤:自分でこう覗いてピントを合わせるのが好きなのと、偶然にいいのが撮れるかもしれないドキドキ感みたいなのが好きなんですよ。あと写真として、フィルムの粒子が出ているのも好きですね。

――シャッターを切るのは、どういったタイミングが多いですか?

佐藤:「今日は撮る日にしよう」とか決めて出かけることが多いですね。あとは旅行のときに持ち歩いて、いい瞬間が訪れたら撮るときもあります。

これまでも、これからも、いつも変わっていないこと

――最後に、これから制作活動をする上で大切にしたい指標はなんですか?

佐藤:アーティストやデザイナーさんに限った話ではないんですけど、誰かにデザインされたものが誰かの日常に寄り添う世界がいっぱいあることがとても素敵なんですよね。それがデザイナーさんに憧れた理由でもあったんですが、その軸はいつも変わっていないんです。自分が作ったものを、自分が知らない人たちが知らない所で使ってくれて、もしかしたらそれで笑顔になってくれているかもしれなかったり。受け取ってくれた方の大切な方にまた届いて、幸せを運んでいたりだとか、そういうことを実現する力があるじゃないですか。私もそれに貢献したい。これからどんな表現をしていくか自分でも分からないんですが、なにをするにもそれを大事にしたいなって思っています。

 私自身、いまなにが自分に向いているのかとか、なにをやったらうまく自分を表現できるのだろうとかが正直分かっていないんです。なので、突破口になりそうなものとか、素直に楽しそうだと思ったもの、新しく興味を持ったものには積極的に挑戦していきたいです。

撮影:佐藤詩織
撮影:佐藤詩織
撮影:佐藤詩織
撮影:佐藤詩織
撮影:佐藤詩織

佐藤詩織
デザイナー/クリエイター/アーティスト/ダンサー
アイドルグループ欅坂46を卒業後、現在は自身のグラフィックや絵画作品制作に留まらず、衣装制作、映像作品制作などにも挑戦。
また、ダンスの面でも、11年間のクラシックバレエとアイドル時代の5年間のダンス経験を基に、さまざまな表現にチャレンジしている。
Official Twitter:@shiorisato_art
Official Instagram:@shiori_sato_artwork
Official YouTube channel:「SHIORism」

佐藤詩織さんのサイン入りチェキプレゼント

 佐藤詩織さんのサイン入りチェキ(撮り下ろし)を3名様にプレゼント。

 応募要項は、以下の通りです。

【応募方法】
リアルサウンドテックの公式Twitterと公式Instagramをフォロー&該当ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドテックの公式TwitterアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

※お一人様1枚までとなります。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※複数のお申し込みが発覚した場合、ご応募は無効とさせていただく場合がございます。

<リアルサウンドテック 公式Twitter>
https://twitter.com/realsound_tech
<リアルサウンドテック 公式Instagram>
https://www.instagram.com/realsoundjp/

<応募締切>
11月19日(金)終日

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる