『今日好き。秋桜編』3話ーーいさ号泣?涙の理由は……「フられるよりもフる方がしんどい」

『今日好き。秋桜編』3話レビュー

 『今日好き』といえば、その人気はメンバー同士の恋が白熱する過程や、不意にキュンとさせられる高校生たちの仕草などにあると思う。だが同時に、これほど長く深く愛される番組となった背景には、“今日好きのパパ”こと井上裕介(NON STYLE)が5年以上にわたり彼らの旅を見守り、時に愛のあるツッコミや叱咤激励を飛ばし、時に優しく寄り添う教えや愉しを、我々視聴者側に届くまで向けてくれたこともあるに違いない。そこで『秋桜編』第3話では、同話における井上の発言集を厳選し、ハイライト形式で振り返っていきたい。

「たまにおんねん、今日好きにも“人生2周目”の子」

 『秋桜編』2日目午後は、グループ別行動に。男子陣による“ハンマーゲーム対決”の結果、今回はつばさ(福村飛翔)×もえ(佐藤萌)を除く7名が、オリジナルハンバーガー作りをすることが決まった。ここで今回の井上の一言を引き出したのが、いさ(北本要世)に想いを寄せるゆな(水戸由菜)である。

 いさはゆなとの2ショットの際、彼女がそら(山崎蒼空)を気になっていたように見えたと探りを入れる。だが、ゆな自身は「そらくんと話したかったけど、恋愛としてのキモチじゃなくて、普通に“人としてかな”って」と、あくまでその瞳はいさしか捉えていないようだ。彼女の冷静な心境説明に、いさも納得を促される。

 見どころはここから。いさの「もう誰に告白するとかって決めてる感じ?」という質問を受けて、ゆなは「決めてるっていうか、もう1人しかいないんです!」と見事なリアクションを見せる。これには井上も「やる~ゆな!」とご満悦状態だった。

 そこから「めちゃくちゃラッシュ掛けるやん」ともツッコミが入ったのは、いさがゆなのほか、しいな(柚来しいな)とももう少し会話を深めてみたいと語った際、「でも私は1人です」と、小悪魔風な微笑みを添えて再びアピールをした場面。彼女の切り返しやその際の言葉選びは、「たまにおんねん、今日好きにも“人生2周目”の子」と井上も賞賛するほど、自分自身がかわいい存在であると自覚した心のくすぐり方をしてくるのだ。同じ言葉を発したとしても、ゆなとそれ以外では伝わり方がまったく異なる。ここでは声のトーンにか弱さや切実なニュアンスを込めてくるあたり、スタジオメンバーも彼女がモテる理由を改めて確認できたようだった。

「もうアレ、付き合って4年のカップルやんな」

 前述の“ハンマーゲーム対決”を制したのは、つばさ。彼は見事、気になる女子1名を誘って、2人きりでの無人島ゲームに繰り出せる権利を獲得したのだが、その相手はこの日の朝、一緒に観覧車に乗ったゆな……ではなく、もえ。つばさへのアプローチが実を結んだ、“粘り勝ち”ともいえる瞬間だった。

 そんな彼らの無人島デートは、出発時のクルーザーへの乗船時、いきなり手繋ぎで登場するという急発進が過ぎる展開に始まり、海に浮かぶログハウスから大海原へダイブ、ペアルックのTシャツを纏い、ビーチに吊るされたブランコで静かに身を寄せ合う……といったものに。井上はこの安定感ある2人の雰囲気を「もうアレ、付き合って4年のカップルやんな」と巧みに例える(ちなみにペアルックのTシャツは、持参してきたものが本当に偶然にも一緒だったという。なんて運命的なんだろう)。

 さて、2人の話題はやはり、つばさがもえを指名した“サプライズなお誘い”について。実際に、もえはハンマーゲーム対決の際、あまりに辛い心境でつばさの方は最早見られてすらいなかったという。本人としての望み薄だった恋なわけだが、いまは先ほどとは違う意味合いで、お互いがお互いを見つめられない光景がただただ微笑ましい。

 そんなつばさは同対決の直前、ゆなとハーバリウム作りをした際に想像以上に会話が弾まなかったことが、もえを指名した理由にありそうだ(ゆなもまた、前述したいさとの2ショットにて、つばさとの会話を「楽しいは楽しいけど」とだけ振り返っていた)。これまでの『今日好き』でも、ここまで直接的な表現でお互いの感覚が合わなかったことを言葉にした例も少ない点で、本人たちを取り巻いていた空気も“なかなか”だったと伺える。

 その上で、つばさはもえに対してこの話をしなかったことは賢明な判断といえる。たとえ自身が意図せずとも、彼女が“2番手”のような扱いだと受け取られる可能性が僅かにでもあるのであれば、黙っているのもまた配慮である。もえはつばさを好きになった理由として、さりげない優しさを当たり前のように注いでくれることがうれしいからと語っていたが、こうした部分もまた関わっているのだろう。

 そこからは、もえと改めて手繋ぎをした後、この日の夜のフリータイムでも同じ時間を過ごすことを約束。この1日で、心の距離を大きく縮めることが叶ったようだ。すると最後にはなんと、このビーチ沿いにあるお風呂に一緒に入るというのだ。いよいよ『今日好き』もここまで来たか……と、スタジオを含めて動揺を隠せないばかりだったが、蓋を開けてみると、2人の目指す先に待っていたのは、一斗缶で作った2つの五右衛門風呂。まるで土曜日の18時頃にやっているシニア向け旅番組のようなアトラクションに急に切り替わったあたり、そのシュールさに思わず笑えてしまった。

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