GoogleのAI技術を詰め込んだ「Pixel 6」は何がすごい? ついに電話も人工知能が応答
米Googleは米国時間10月19日、新型スマートフォン「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」を発表した。両スマートフォンには人工知能(AI)や機械学習(ML)を活用した、さまざまな機能が搭載されている。ここではその便利な活用方法をご紹介しよう。
パソコンのような画像編集機能
Pixel 6シリーズを語る上で最も重要なのが、Googleが独自に開発した初のモバイル向けプロセッサ「Tensor」だ。Tensorという名称は、同社のサーバー向けディープラーニング用チップ「TPU(Tensor processing unit)」に由来している。もちろんその名前が示すとおり、TensorにはGoogleの最先端の人工知能技術が詰め込まれている。
Pixel 6シリーズでは人工知能を活用し、新たな画像編集機能が追加されている。例えば「消しゴムマジック」では、背景に写り込んだ人をタップするだけで消すことができる。この消去する対象の認識に、機械学習が利用されているそうだ。
素早く動き回る被写体の迫力ある写真を撮影したい場合には、「モーションモード」がおすすめだ。これはアクションパンや長時間露光などの機能を使い、被写体はくっきりと、そして背景はぼかした撮影が可能になる。この画像処理にも、機械学習が用いられているという。
写真関連の興味深い機能として、「リアルトーン」も取り上げておきたい。これまで多くのカメラは、人の肌を実際よりも明るく写すようにデザインされてきた。しかしリアルトーンでは、その人が持つ正しい肌の色、そして美しさを忠実に再現する。この機能ではさまざまな人種の肌の色の理解に、機械学習が利用された。
リアルタイム翻訳で誰とでも友達に!?
Pixel 6シリーズにおける人工知能のもう一つの使い道が、音声認識と言語処理モデルだ。これを応用した「リアルタイム翻訳」機能では、英語やフランス語、ドイツ語、日本語などさまざまな言語の人とメッセージがやり取りできる。LINEなどのチャットアプリなら、相手が送ったメッセージと自分が送るメッセージが自動で翻訳されるのだ。
さらに音声や動画などの自動字幕起こしの翻訳、Google レンズによる画像の翻訳、通話をサポートする通訳モードでも、リアルタイム翻訳が利用できる。
Pixel 6シリーズのレコーダーアプリが日本語に対応したことで、音声の録音だけでなく音声の文字変換(書き起こし)、音声ファイルの検索が可能になった。Google アシスタントを利用した音声入力も進化し、ハンズフリーで句読点の追加、修正、絵文字の挿入などができる。