10000人規模や、日本の半分を使ったものまで……YouTubeで反響大の“鬼ごっこ”動画について考える
YouTubeで視聴者人気の高い企画と言えば、鬼ごっこ。鬼ごっこの動画が、急上昇に乗ったりチャンネル登録者数以上の再生回数を叩き出したりするYouTuberも少なくない。反響のあった鬼ごっこを紹介する。
YouTube史上最も規模の大きい鬼ごっこは、YouTuberであるFischer's-フィッシャーズ-とその視聴者含めた10000人で30分間鬼ごっこをしている動画だろう。この企画では、『1つの会場で同時に鬼ごっこをした最多の人数』を記録したとして、ギネス世界記録™に認定されている。この企画には、子供から大人まで参加しており、楽しそうに鬼であるフィッシャーズから逃げ回る参加者の様子が映っている。多くの視聴者とクリエイターが、一緒になってギネス世界記録™を達成できたことは、印象深い思い出になっているだろう。
フィッシャーズといえば、学校や廃工場で行った、100分間鬼ごっこシリーズも注目を集めている。この鬼ごっこのルールはシンプルで、鬼役のフィッシャーズ・シルクとメンバーカードを引いて出たフィッシャーズのメンバー1人が出演者たちを追いかけ、捕まったらアウトというもの。出演者は多種多様で、人気クリエイターや芸人、ジャニーズなど毎回異なる有名人が出演しており、参加者同士の絡みも注目されている。このシリーズの見どころの一つは、残り時間がわずかになるとスペシャルモンスター(鬼役)が参加するところだ。過去には山下智久やゾンビの格好をしたエリック・ワイナイナ、など豪華なスペシャルモンスターが登場し、参加者を追いつめている。
さらに、西園寺という鉄道が好きな大学生が、友人たちを巻き込んで行った、壮大な鬼ごっこも、YouTubeの急上昇欄に掲載され注目を集めている。ゲーム時間は36時間、場所は日本半分を使い、テレビ番組『逃走中』のようにミッションをこなしながら鬼から逃走するというゲームで。フィッシャーズの鬼ごっこに比べるとルールが複雑だが、ルールや出演者等をまとめたホームページもあり、後から追う人たちも理解できるよう工夫されている。これまで投稿された動画では、鉄道好きの2人が逃走者だったため、豊富な鉄道の知識と経費をもとに、鉄道や航空機など様々な公共交通機関を贅沢に使い、鬼が逃走者に振り回されながらゲームが進んでいく。それぞれの移動手段を使った理由などを動画内で説明してくれているため、鉄道好きはもちろん、鉄道に詳しくない人でも楽しめる動画になっているのではないだろうか。
YouTubeには、フジテレビの人気番組『逃走中』を再現した動画も投稿されている。日本工学院八王子専門学校に在学していた学生が、2018年3月に裏卒業制作として公開した動画「逃走中in巨大専門学校~学生だけで本家をそのままやってみた!逃げ切る者は現れたのか!?~」が200万回再生を突破し、クオリティが高いというコメントが寄せられている。それもそのはず、日本工学院八王子専門学校には、放送芸術科というカメラや制作、映像編集などそれぞれのコースに合わせた専門的な技術について学べる科があり、この動画制作に携わっている人たちは、放送芸術科に通っていたことが分かる。出演者の多くは裏卒業制作のために集まった一般人だが、逃走者それぞれのキャラが立っていたり、専門分野の特色を活かしたミッションがあったりと、出演者を知らなくても楽しめるようになっている。
このように鬼ごっこは、チャンネル登録者数500万人を超える有名YouTuberから、普段は一般人として生活しているクリエイターまで様々なYouTuberが企画し、それぞれ注目を集めている。新しいスタイルの鬼ごっこの動画を投稿するクリエイターが現れるのか、鬼ごっこ好きの心を動かす動画が公開されることを楽しみにしている。