ワリオはマリオよりも先をいく存在だった? 『おすそわける メイド イン ワリオ』にチラつく『ワリオランド』シリーズの面影と先見性

ワリオはマリオよりも先をいく存在だった?

誕生30年を控えた今こそ期待したい、ワイルドなヒーロー・ワリオの復活

 だが、現在のワリオシリーズの本流は『メイド イン ワリオ』になってしまっている。ただ、『メイド イン ワリオ』もマリオには真似できないイレギュラーな魅力満載の作品で、主に代名詞たる「プチゲーム」にそれが色濃く表れている。絵の素人が描いたとしか思えないグラフィックの採用、任天堂の社員と思しき人物を実写で登場させてしまうといった所がその象徴だ。

メイド イン ワリオ ゴージャス オープニング映像

 近年も『おすそわける メイド イン ワリオ』の前作、『メイド イン ワリオ ゴージャス』でのワリオシリーズどころか、マリオシリーズとしても異例極まりない日本語フルボイスの採用は大きな注目を集めた。数あるマリオシリーズの中で、ゲーム本編にて日本語による喋りを披露したメインキャラクターは今においてもワリオただひとりだ。『ワリオランド』シリーズの展開は止まってしまったとはいうものの、それでもワリオは常にマリオに反目する挑戦を続けている。独自の立ち存在感と魅力を放ち続けているのだ。

 とはいえ、ワリオランドの展開がないままも寂しい限りではある。パワフルで豪快なアクション、挑戦的なゲームシステムの数々もさることながら、『ワリオランド』シリーズはワリオというキャラクターに秘められた“ワイルドなカッコよさ”を味わえる作品でもあったのだ。基本的にお金やお宝を集めるという欲望に忠実な行動を取るワリオだが、それがいつの間にか世界を救うことに繋がったり、ときには囚われの姫君を呪いから解放する結果にいたったりもする。

 しかし、仮にそんな結果を迎えようともワリオは己の欲望第一であるから、ヒーロー気取りはしないし、そのために行動することもない。そんな我を通し、目的ただひとつを純粋に貫き通す姿勢はさすがのマリオも真似しきれないものだし、ほかのヨッシー、ルイージといった主演を飾ったマリオシリーズのキャラクターにもない唯一無二の魅力だ。

 そんなワイルドで、カッコいいワリオを見られる機会が減ってしまったのは惜しまれる。気が付けば、2022年でワリオは生誕30年を迎える。これをきっかけに久しぶりに『ワリオランド』シリーズの新作、あるいは過去のシリーズを現行のNintendo Switchで遊べるようにしたコレクションタイトルや、オリジナル単品の復刻が行われる展開に期待を寄せたい。それまでは『ワリオランド』シリーズの要素を取り入れた、今回の『おすそわける メイドインワリオ』を楽しみたいところだ。

 そして、もし本当に新作が作られるなら、過去のシリーズと変わらず、マリオには真似できないイレギュラーな挑戦満載のアクションゲームになることを期待したい。これからもマリオに反目し続けるワリオ様であらんことを。



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