オリンピックの声援をAIが“みえる化” 世界中の人と感情をシェアできる「UNITE BY EMOTION」とは

オリンピックの声援をAIが“みえる化”

 2021年7月23日、ついに開幕した東京オリンピック。新型コロナウイルスの影響で前代未聞の1年の延期を経ての開催となった。しかし、東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県の全ての会場では無観客での開催が決定。多くの人が直接での観戦が叶わず、画面越しに試合を見守る状況となった。

 そんななか、自宅にいながらインターネットを通して声援を選手に届けることができるツールがあるという。その名も「UNITE BY EMOTION」。一体どのようなサービスなのだろうか、実際に試してみた。

「UNITE BY EMOTION」とは

 株式会社I'mbesideyouが提供する「UNITE BY EMOTION」は、世界中の人たちの声援を感情解析AIによってオンラインでみえる化し、選手や他の国々の人たちに届けることができるサービスだ。オンライン観戦ならではの新しい体験を提供することで、選手に声援を届け、世界中の人たちが感情でつながりあう機会を創り出すことを目指すという。

 I'mbesideyouの保有する感情認識技術を活用し、世界中の人たちがアスリートを応援する様子を動画や写真で自ら撮影し、投稿することで、一人一人の感情がビジュアル化され、地球上に投影されていく。完全無償、広告なども一切つかない形で提供される。

開会式の様子をウォッチしてみた

 7月23日のオリンピック開催式で、UNITE BY EMOTIONを開いてみた。

 地球のイラスト上に、黄色の線が表示されている。地球のイラストは、スマホの手の動きにあわせて回転する。

 画面下の顔のイラストにもあるように、黄色の色の意味は「Happiness」だ。投稿された動画や写真、応援コメントの内容をAIが「幸せ」の感情だと読み取り、イラスト上に表示されている。

 多くの線が集中している場所は日本だった。自国開催ということもあり、日本での使用率が高いようだ。

 開会式中、世界中で多くの「Happiness」の感情が生まれていた。

 また、別の時間帯にサッカー女子の日本対イギリスの試合も観戦してみた。こちらの試合は惜しくも0-1で負けてしまった。

 その時の地球のイラストは以下のように、紫色の「Fear(恐れ)」の表示も多く見られた。

選手に応援メッセージを送る方法

 実際に選手に向けてエールを送ってみた。

 まずは、動画または画像を選んでアップロードする。

 アップロードして次に進むと、「名前」「応援したい国」と「応援したい種目」「応援コメント」が表示される。

 筆者は日本を応援したい国に設定し、種目は「ALL」を選んだ。コメントは「All the best everyone」と設定して送信してみた。

 こちらで応援は完了。この画像と応援コメントをAIが判別し、地球儀に反映される。

 ランダム表示で、世界中の人々の応援コメントを読むこともできる。

 「応援されている国TOP10」も見ることができる。日本が1番応援されているようだ。自国を応援するのはもちろん、気になる他国の選手に声援を送ってみるのもいいかもしれない。

使ってみた感想

 自分のメッセージが必ず表示されるわけではないので、本当に送信できているのか、自分のメッセージがどの感情として認識されたのかは不明だが、他の人の応援メッセージを見たり、地球のイラストを動かしたりするのは面白いと感じた。

 UNITE BY EMOTIONのサイトにはこのようなメッセージが書かれている。

 『すべての人がお互いをリスペクトし、すべての出会いが学びになる社会。それが私たちの理想です。人以上に人に寄り添うAIで、一人一人がかけがえのない個性をもった存在であることをみえる化し、私たちの子どもたちがあるがままに生きられる社会を創り出す。コロナの苦しみを、次の世代の喜びに変えるために、私たちは日々挑戦を続けています。』
引用:https://world-emotions.imbesideyou.com/index.html

 「United by Emotion」という言葉は、東京2020組織委員会が発表した世界に発信する大会モットーでもある。大会モットーは、大会ビジョンを研ぎ澄まし、大会主催者が世界と共有したいアイデアやコンセプトの本質を捉える3~5ワードのシンプルな英語のメッセージで、東京大会の姿勢を表すものだ。2016年リオ大会のモットーは「A new world」、12年ロンドン大会では「Inspire a generation」が掲げられ、競技会場・都市装飾やデジタルメディアで掲出されるなど、重要な役割を果たしている。

 無観客開催でも、自国でオリンピックが開催される滅多にないチャンス。大会の感動を分かち合い一つになるために、選手たちの声援を送ってみてはいかがだろうか。

(source)
https://world-emotions.imbesideyou.com/index.html

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