新宿「3D巨大猫」など、各地に増加中の“3D広告”は世界中で流行? “面白くもウザくもなる”という懸念も

巨大猫など“3D広告”は世界中で流行?

 東京の街でも、3D街頭ビジョンの野外広告があちこちで観られるようになってきている。

(画像=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000082647.htmlより)

 その代表例が、新宿駅東口駅前広場の前に位置する「クロス新宿ビジョン」。株式会社マイクロアドデジタルサイネージと株式会社ユニカが共同運営するこの150平方メートル級の湾曲ディスプレイに、3Dの“巨大猫”が突如として現れた。

 7月12日から本放映が開始されているこの“巨大猫”は、前述の2社に「クロス新宿ビジョン」の委託を行った株式会社クロススペースによって企画された。クロススペースはこの“巨大猫”について、計画当初から大型ビジョンの新たな活用方法を検討テーマとして掲げており、ちょうど中国やマレーシアの3D街頭ビジョンが話題になっていたことなどから今回の“巨大猫”ビジョンの制作に取り掛かったという。

 “渋谷のハチ公、新宿の巨大猫”を目指しているという今回の“巨大猫”3D広告だが、海外、特にアジア圏では、より大規模な3D広告がすでに展開され始めている。

中国、成都市のショッピングモールに“宇宙船が終航”

 昨年10月上旬には、中国成都市のショッピングモール「成都太古里」に、肉眼で観られる大型の3Dビジョンが登場。「円盤の形をした大型の宇宙船が帰還して、3Dビジョンが描く宇宙ステーションのような場所に終航する様子」、「長方形のビジョンの中で苛立っているオスのライオンが、ガラスを破って大通りに飛び降りる様子」など、インパクトの大きい映像ばかりだ。中国でもまだ珍しいようで、大勢の人がカメラを構えている図がTikTokなどにもアップされている。

 この3D街頭ビジョンを設置した野外LED広告の会社「聯建光電」は、3D街頭ビジョンの集客力は高く、投資効果は通常の野外広告の3倍以上にもなるという。裸眼で立体的に見えるように二面の画面をシームレスに繋ぎ合わせ、製造は8Kを使用している。この3D街頭ビジョンは、宇宙船やライオンといった映像だけでなく、フード製品などしっかり広告的な内容のものもすでに放送されているようで、SNSには通行人が物珍しそうにカメラを構えている様子がアップされている。特に、夜になると3D街頭ビジョンのリアルさが増すという。

クアラルンプールでは黄金の雄牛が“コロナウイルスに突進”(現在は終了)

(画像=https://www.thestar.com.my/news/nation/2021/02/12/malls-3d-bull-goes-viral-across-the-globeより)

 マレーシアの首都・クアラルンプールを代表する繁華街エリアのブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)。この繁華街を見下ろす「パビリオン・エリート」の巨大スクリーンには、黄金に塗られた雄牛がコロナウイルスに向かって突進し、ガラスの檻もろとも粉々にする3Dの映像が映し出されている(黄金の雄牛の3D映像は2021年3月で終了)。

 この3D街頭ビジョンの設置を手がけた「パビリオン・クアラルンプール」の最高責任者ダトゥク・ジョイス・ヤップ氏はThe Starの取材に対し、「アイデア出しに1ヶ月、コンテンツの制作には10日間を要した」と話した。また、最初は一時間ごとの上映を予定していたが、大きな反響を受けて3~5分ごとに切り替えたという。上を見上げると「新型コロナウイルスに立ち向かう黄金の雄牛が飛び出してくる」という、単なる広告を超えた力強いメッセージにはを持つこの3D街頭ビジョンは、新型コロナウイルスで俯いて歩きがちな通行者たちからも賞賛を浴びたようだ。

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