『ゼルダの伝説』はなぜ9500万円で落札された? パッケージをデザインした本人が理由を分析

『ゼルダの伝説』が9600万円の理由

 2021年7月頭、アメリカのオークションサイト「Heritage Auctions」にて、海外版ファミコン、通称NES版の『ゼルダの伝説』が870,000ドル(約9,600万円)で落札された。1986年に発売された、人気レトロゲームであったとはいえ、なぜここまで高額になったのだろうか?

 NES版の『ゼルダの伝説』は、ゲームの面白さ意外にも、パッケージデザインが人気である。そんなNES版『ゼルダの伝説』のデザインをしたTim Girvin氏は、このように分析している。

 私が思うに、この伝説のゲームは、人々の体験がこもっているから、ここまで高額になったんだと思う。プレイヤーたちは、当時体験した深い記憶を持っているんだ。そして『ゼルダの伝説』自体が、神話的な次元の冒険である。旅、最高の敵、故郷への凱旋、別の次元での冒険体験... 人々の意識内に継承され、深く根付いたものだ。

 神話学者であるジョセフ・キャンベルの一節を借りると、「無上の喜びを追い求めると、そこにずっとあったが、あなたを待っていた人生の道が、自分が歩いている道になる。そして自分が生きるべき人生というのは、今現在生きている人生なんだ。恐れずに、無上の喜びを追い求める。そしたら自分の知らなかったところにあった扉が開く」。

 まさにこの言葉のように、外に出て冒険し、夢を見つけて宝を発見することは、現実世界に実際起きていることでなくても、体験としてプレイヤーの中で生きています。
外に出て、冒険をする。そして夢と宝を見つけて、自分が作られた場所に戻る。ゲームは、自分がいる世界とは違う場所を夢見る方法でもある。冒険ができる世界への扉を開けるものである。リスクもあれば、宝もある。夢だったとしても、自分が「ホーム」と呼ぶ現実に持っていける「価値」を見出すことができるんだ。

(画像=任天堂より)

 これらのGirvin氏の発言が、高額で取引された理由にになっているかは不明だが、『ゼルダの伝説』制作時に開発者たちが感じていた「冒険」がプレイヤーたちに夢を与えていたことに間違いはない。プレイヤーとゲームの深い関係性が、より価値を高めていくのだろう。

(画像=Nintendo UK

(Source)
https://www.nintendolife.com/news/2021/07/heres_why_that_nes_zelda_sold_for_usd870000_according_to_the_guy_who_designed_the_packaging
https://talesfromthecollection.com/2021/07/17/tim-girvin-on-nintendo-design/

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