自動販売機のサブスクは当たり前となるか? 「Coke ON Pass」のメリット・デメリットを考える

自販機サブスクは当たり前になるのか

 一足先に始まった「every pass」の評判はどうなのだろうか。株式会社JR東日本ウォータービジネス「サブスクアンケート調査」(2020年8月実施)によるとユーザー満足度は8割、「毎日好きなドリンクが飲める」「ポイントも貯まるので非常にお得」「ゲーム感覚で楽しめる」などの声が上がっているという。「every pass」は2019年10月に会員500人募集からスタートしたのに対し、「Coke ON Pass」はいきなり先着申し込み10万名からスタート。「Coke ON Pass」を機に自動販売機サブスク市場は大幅に拡大するとみられる。

 1本取り忘れると損したように感じるのが難点と前述したが、160円のペットボトルを月に17本交換すれば2,700円を越えるため、元が取れる。週5回職場に行っている人が毎日ペットボトルを購入するのであれば、20回以上となるため、サブスクリプションを利用した方が得だと言える。個人向けのサービスとして展開している「Coke ON Pass」だが、コカ・コーラ社の自動販売機を設置している会社が福利厚生で取り入れれば、市場はより拡大するのではないだろうか。

 また、現在は20歳以上の成人が対象とされているが、子どもの利用にも適しているのではないかと考えられる。現金・電子マネーを問わず、子どもにお金を持たせるのはまだ早いし不安、という人もいると思う。「Coke ON Pass」はスマートフォンだけ持っていれば自動販売機で飲み物を受け取れるため、お金を使うことはなく、余計なお菓子を買う心配もない。ファミリーパックのようなプランは需要が高いのではないだろうか。

 得するのか損するかは人次第、感じ方も人次第な「Coke On Pass」。しかし、自動販売機サブスクが今後も拡大すれば、将来的には自動販売機はサブスクが当たり前、となる時代がくるかもしれない。日本は自動販売機が多い国だからこそ、より一人ひとりが使いたいと思えるプランが出ることに期待したい。

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