ネットの企画を「テレビみたい」と言うのはさみしい。『勇者ああああ』とアルコ&ピースが目指す“笑い”のかたち

『勇者ああああ』とアルピーの現在

アルピーチャンネルはなぜ“YouTubeっぽいこと”を真っ向からやっているのか

――アルコ&ピースのおふたりは、2020年9月に『アルピーチャンネル』を開設されましたがどんなことを心がけて動画を配信しているのでしょうか。

平子:比重をかけすぎると続かないなと思ったんですよね。たとえば、ものすごく大がかりなしんどいドッキリをしかけるとなると、ここから先も人生ドッキリじゃないかって疑心暗鬼で過ごすことになるし、何十万もかけた企画もウケたとて何度も続かないし、そういうデカいことして尻すぼみになるくらいなら、低空飛行でもいいから続くことをやったほうがいいなと思ったんです。まあ、もうちょっと登録者数伸びると思ってましたけど……。

板川:いま登録者何人くらいですか?

平子:10万人いってないです。

板川:ということは、まだ銀の盾もらってない?

平子:もらってない。

酒井:銀の盾もらったらまたいろいろ考えます。

平子:最初の挨拶のところとか、いわゆる“YouTubeっぽいこと”を冗談半分で始めたのに俺らも飲み込まれてきて、普通になってきちゃって。パッと気づいたら気恥ずかしさとかもありますね。悪ふざけのつもりでやっていたことが普通になってきている危うさはある。

板川:いまどんな感じで始まるんですか?

平子:「どうも〜アルピーチャンネルです〜よろしくお願いします」という感じでオープニングトークして、「さて今日の企画は」って始まる。今考えると死ぬほど恥ずかしいな。

――平子さんがそう思っていることをわかっていない視聴者もたくさんいると思います。

平子:実際俺らも普通にやってしまっているので。

板川:テレビはスタッフが演者にやらせてる感覚があるんですけど、YouTubeって自分のチャンネルなのに「さあ、やってきましたけども」とか言うときに「お前が勝手に来たんだろ!」と思うんですよね。テレビと同じ論法でやっていると理屈が破綻する。「ここどこですか?」とか言うのも「いやお前のチャンネルだろ!」っていう。

平子:観ている側はあんまり気になってないと思いますけどね。

板川:気になっちゃうんですよ。「今日何やるんですか?」って、「知っとけよ!」っていう。

――YouTubeを始めて、新規のファンを獲得した手応えはありますか?

平子:ないです。既存のままですね。

――YouTubeチャンネルの開設は新規のファンを獲得する意図なのかなと思っていました。“YouTubeっぽいこと”を真っ向からやることによってハードルを下げて、新規のファンを獲得して、おふたりのトークによってコアなファンに育てていくような。

平子:いや、その理屈はいっさいなく始めてます。もちろん(新規の視聴者が)来てくれたらうれしいですけど。

酒井:序盤のほうの企画とか、ちょっと黒歴史になりかけてますからね。サムネイル見るだけで寒気がする。もっと自由に好きなことをやっておいたほうがいいのかなとは思います。

平子:ああ……。俺ら的に黒歴史的な過去企画は、登録者が15万人いったら消します。いま消すとバレるから、もう少したまってきたらさらっと消す。

板川:楽しそうにやってないからいけないんですよ。「YouTubeってこんな感じでしょ」って空気が出てしまってる。まあ僕はあのへんけっこう好きで観てますけど。

平子:それは裏の見方なのよ。

――もっと伸びると思っていた企画ってありますか?

平子:ネタの動画が死ぬほど伸びてないんですよ。芸人って、YouTubeにネタを投稿しても伸びないイメージはあったんですけど、俺らのは本当に地獄のように伸びてないので。だからネタか企画ものか、どちらかに振らなければいけないのかなとは思ってます。

――おふたりがアルピーチャンネルでやってみたいことや、目標ってあるんですか?

酒井:免許取りにいきたいです。車の免許。YouTubeにかこつけて自分を充実させていきたい。それくらい楽にやって長く続けたいです。

平子:酒井が二世帯住宅を建てる様子を定点で追いたいです。土地探しから家を建てるまで。完成したら俺が壁に“Pele”って書く。

板川:テレビっぽいセット立てるYouTubeとかありますけど、「テレビを超えた番組」とか言っときながらテレビっぽいセットを立てるのってどうなんですかね。けっこうあるじゃないですか。「テレビみたいですね」ってそれ褒め言葉なのか?って。

――たしかに、YouTubeだと「これをタダで観られるなんて!」という話がよくありますけど、「テレビならタダだぞ」と思うときはありますね。「テレビみたい」なYouTubeって、目指しているクオリティの高さは結局テレビだったのかと。

板川:そうなんですよ。だからよくわからない。仕事が減ってあぶれたテレビディレクターがネットで本気を出したら大変なことになるでしょうね。テレビの人間が言うのもあれですけど、「テレビみたい」って言うのカッコ悪いし、さみしいじゃないですか。

――企画から根本的に異なるチャンネルは面白いですよね。

板川:さらば青春の光さんのYouTubeチャンネルとか、すごく面白いなと思うんです。ドッキリにしても検証にしてもテレビで見たことのない企画ばかりで。スタッフの皆さんが優秀だからだと思うんですけど、視聴者が意地悪な質問をしてきそうなところを事前につぶしてあって、違和感なく見られる。

 僕はロジックが破綻しているドッキリが苦手で。「これ企画として成立してないのでは?」とか「ここにカメラがあったら変じゃない?」とかいろいろと考えてしまう。例えば「誰かが別人に入れ替わっているドッキリ」を仕掛ける場合は、そのドッキリの対象が勘違いするように周りの仕掛け人の演技を演出したり、設定を巧妙に作って入れ替わってる事に気づかせないようにしたり。要は対象者の人間性が出るようにするのがドッキリだって思うんです。何のフリもなく「じゃーん!実は入れ替わってました!」っていうのはドッキリじゃなく、ただのびっくりだろうと。そこに至るまでに「どう引っ張るのか」を考えるのが企画だと思うので。

平子:YouTubeは企画よりも、プライベートを追わないとあんまり意味がないなとは思います。俺らが会議室で何か当てたって仕方ないから。そんなのもう劣化版だから。それなら酒井が時計買うところみんな観たいだろうし。

板川:わかりやすいですもんね。

平子:有名人のリビングだとかのほうが観ますよね。かと言って、俺たちのリビングに需要があると思いこんでやると失敗するし、難しい。「お前のリビングに需要があると思うなよ」ってそっぽ向かれることすらある。そのダメージは大きいので、難しいですね。

■勇者ああああHP1 第3回 〜第6世代芸人セーフティネット〜
日時:6月26日(土)19時30分開場 20時開演予定
アーカイブ期間 :7月4日(日)23時59分まで
チケット購入:https://www.tv-tokyo.co.jp/event/2021/hero-aaaa/
当番組のスーパーエース・ラブレターズ、レギュラー放送が終わってからは一度も会ってない・ペンギンズ、実力あるけど全然売れない日本代表・三拍子、芸能界最弱組織「酒井軍団」代表・ぐりんぴーす……といった「勇者ああああ」ぐらいでしか見ない面々が「自分達はこれなら活きる!」というオリジナル企画を引っ提げてやってきます。

出演:アルコ&ピース、相田周二(三四郎)
ゲスト:永野、ラブレターズ、ペンギンズ、三拍子、ぐりんぴーす、しずる

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