搭乗には30億円かかる? Amazon創業者が宇宙旅行に兄弟で参加
米Amazonの創業者ことジェフ・ベゾス氏は、自身が率いる宇宙開発企業「ブルーオリジン」の初めての商業宇宙旅行に、自らが参加すると発表した。さらに、弟のマーク氏も同じ宇宙旅行ミッションに参加することになる。
独自開発ロケットは再使用が可能
ブルーオリジンはベゾス氏が2000年に立ち上げた宇宙開発企業で、ロケットやロケットエンジン、宇宙船の開発を手掛けている。また、事業としては商業宇宙旅行や科学調査、さらには宇宙空間への物資輸送も予定している。
そんなブルーオリジンが開発をすすめているのが、弾道飛行ロケットの「ニュー・シェパード」だ。全長18メートルの同ロケットは、打ち上げられた後に上部のカプセルを分離し、高度100キロメートルの宇宙空間に投入する。宇宙船の内部では数分間ではあるが、無重力(微重力)を体験することができる。
そしてブースター自体は、地上へとエンジン噴射で垂直方向に着陸可能。さらに、着陸後にメンテナンスを経て再度打ち上げることができる。このようにブースターを再使用することで、打ち上げコストの削減と高頻度なミッションの実施が可能となる。
SF映画のような宇宙船
ニュー・シェパードはブースターだけでなく、乗員が搭乗するカプセルにも先進的な設計が取り入れられている。船内には6脚のリクライニングチェアが配置され、乗員はリラックスした状態で宇宙へと飛び立つ。さらにカプセルの外周には大型のウィンドウが設置され、外の様子がよく見えるようになっている。
そして宇宙空間に到達した乗客は、その窓から漆黒の宇宙や青くて丸みを帯びた地球を眺めることになる。さらにカプセル上部には、無重力状態時に移動するための手すりも用意されている。なお、ロケットは完全な自動運転となっており、パイロットは搭乗しない。
なおブルーオリジンの説明によると、ニュー・シェパードの打ち上げ時には3G、カプセルの降下時には5.5Gの荷重が乗員にかかるとしている。また、カプセルへの搭乗から降機までは最大90分間かかると案内されている。