ロレアルやLDHを飛躍させた長瀬次英がTOKYO FMに参画した理由 「音声コンテンツにはエンターテインメントが必要」 

「TOKYO FM」チーフデジタルプロデューサー・長瀬次英インタビュー

SNSではなく、普遍的なエンターテインメントの楽しさを追求したい

 ラジオ放送局は「音声」に強い分、そこにUGCの概念を入れることにより、今までにない音声エンターテインメントが生まれる。

 音声も個人の趣味や嗜好、興味関心によって多様化し、波長が合う人同士が集えるようなポテンシャルを持っているゆえ、音声市場のさらなる発展はUGCが鍵を握っていると言えるかもしれない。

 だが、長瀬氏は「AuDeeはClubhouseやTwitterのSpacesといった『音声SNS』にカテゴライズされたくない」と話す。

 それは「SNSがあくまで人と人を繋げることを目的にしており、音声にエンターテインメント性を持たせることに意味があるから」だという。

「今までいろんなSNSが出てきて、アカウントを作ってはやめてきたと思うんです(笑)。でもエンターテインメントはどうでしょう?音楽や演劇、映画など人が生きる上で

 永遠に必要とされるものなので、今でも残り続けている。余暇を楽しみ、気分転換を図り、ワクワクした高揚感を味わう。人にとって普遍的なものであり、時代が変遷しようとも人に求められるのがエンターテインメントの魅力なんです。音声にエンターテインメント要素を持たせ、音楽のように『ながら聴き』できるような音声コンテンツは今後さらに増えてくるでしょうし、AuDeeも質の高いコンテンツづくりができるようにしていきたいと考えています」

 AuDeeのUGC機能をローンチするロードマップとして、まずは長瀬氏の近しい知人から使ってもらう想定だそうだ。

 新サービスを認知させ、広めるためには「招待制」を導入する手法もあるが、「まずは身の回りの人から始めることで純粋にフィードバックをもらいたい」とのこと。

「SpotifyやClubhouseは招待制という打ち出しを行なったことでグロースしましたが、変にヒエラルキーを作りたくないので、AuDeeに関してはユーザーの声を拾いながらブラッシュアップしていく形を考えています。信頼に足る知人からの本音や意見をもらうことで、より優れたユーザー体験を設計するのに役立ちますし、リアルなフィードバックがあることで、改善点を明確にすることができる。ある程度の方向性が定まったところで、一般公開に向けて動き出す段取りを描いています」

テクノロジーの技術革新が進めば、音声の未来は明るい

 さらに、TOKYO FMは「Life Time Audio 80.0」というブランドプロミスのもと、「IoT」ならぬ「AoT(Audio of Things)」というキーワードで音声ビジネスの拡大に努めている。

ルートインホテルズの宿泊者のみが楽しめるボイスドラマコンテンツ「ルートインホテルズ 秘密のボイスドラマ ただいま出張中」

 ルートインホテルズとコラボし、宿泊者のみが楽しめるボイスドラマコンテンツを制作したり、安曇野食品工房の商品「SWEET CAFÉ」とタイアップしたオリジナルラジオドラマ

 を配信したりと、体験やモノと音声が融合することによる新たな付加価値の創造を目指しているのだ。

 まだまだ無限の可能性感じる音声ビジネスの未来について、長瀬氏はどのような思いを持っているのだろうか。

 最後に今後の展望について伺った。

「ラジオ離れが進んでいると言われていますが、音声エンターテインメントはこの先明るいと思いますね。音でもたらされる体験価値はこれからさらに進化するでしょう。今後もAIやXRといったテクノロジー技術の革新が進み、また5Gや6Gへの移行により、ライフスタイルがより豊かになっていく。あらゆるものがインターネットと繋がり、何不自由なく生活を送れるようになったとしても、音声が人々の営みに必要不可欠なのは変わらないと思うんです。

 音声で認識した方が便利なこともあるだろうし、その拡張性や汎用性から音声コンテンツの体験づくりやエンターテインメント要素を研ぎ澄ませることで、無限に広がる可能性を秘めている。直近の目標としてまずは、AuDeeのUGC機能をローンチし、ラジオ放送局の質を担保しながら良質な音声コンテンツを配信しつつ、様々なオーディオコンテンツプラットフォームの展開を視野に入れながら、ビジネスグロースできるように尽力していきたい」

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