呪術廻戦、ヒプマイ……Spotifyが「声優の音声コンテンツ」に参入する理由
仕事や家事など何かをしながらでもコンテンツを楽しむことができるポッドキャストは自粛生活が続いたこの1年で大きな広がりみせた。そのなかでも斬新なオリジナルコンテンツを配信し一目置かれる存在となっているのがSpotifyだ。
今回はSpotifyオリジナルポッドキャストとして配信中の「呪術廻戦 じゅじゅとーく」と「Spotify HYPNOSIS WAVE」を紹介する。アニメやゲームをより楽しむタッチポイントとして親しまれてきた、音声コンテンツのこれからも予測した。
キャラ解釈から仕事論まで。榎木淳弥と共演声優たちが語る「呪術廻戦 じゅじゅとーく」
「呪術廻戦 じゅじゅとーく」(以下、じゅじゅとーく)は、TVアニメ・呪術廻戦の虎杖悠仁役の声優・榎木淳弥が、パーソナリティを務めるトーク番組だ。3月にアニメ1期が放送終了した現在も、毎週金曜21時に配信中。毎回、同作品のキャストをゲストに迎え、アフレコ時の裏話や放送後の感想などを繰り広げる。これまでに、内田雄馬、中村悠一、瀬戸麻沙美、木村昴、関智一、小松未可子、内山昂輝が出演した(2021年4月末現在)。
第11回(4月2日配信)には、パンダ役の関智一が登場。後輩の榎木に、声優のキャリアに関する持論を展開する。
「来るものを拒まないというか、どんなお仕事もされている」と、関の仕事ぶりを話す榎木。関は、声優を取り巻く環境が変わったことを受けて、戸惑いはあったが「抗っていては時代に取り残されると思って。時代に合わせて変わっていこう」と考えたという。そして、声優の仕事と年令の関係性にまつわるあれこれに触れた榎木に対し、次のようなキャリア戦略を話す。
関「オレ的には、自分の考えだけじゃ難しいけど、早めにブルーオーシャンに移動する。榎木くんたちが戦ってるとこはレッドオーシャン。若手がいっぱいいてさ、みんなで二枚目の役を奪い合ってて。まっかじゃん」
榎木「戦国時代ですね」
関「早めに……。オレだったらドラえもんとか。ファミリー向けにチャンスがあったから、そっちになるべくシフトを動かしてやっていこうとか……」
呪術廻戦の話に留まらない、じゅじゅとーく。「1人の役者として何を大切にしているか?」がうかがえる、キャスト達の仕事観も聞きどころだ。
また、第8回(3月12日配信)では、第2クールのオープニング『VIVID VICE』を担当するアーティスト、Who-ya Extendedがゲストに登場した。同曲は、Spotify海外バイラルチャートにランクイン。Who-yaは、「海外のファンからTwitterにリプライをもらうことが増えた」と話している。
「VIVID VICE」がSpotify海外バイラルチャートにもランクイン
国内外,沢山の方に聴いていただけて本当に嬉しく思いますThank you everyone for listening to #VIVIDVICE
Thank you #Spotify @SpotifyJP for #38 on Spotify global VIRAL TOP 50!https://t.co/Hn9SmLopI7
Love you guys!
<staff> pic.twitter.com/Rfghw5lUfU— Who-ya Extended (@wyxt_official) February 22, 2021
Spotifyとのコラボレーションに積極的なヒプノシスマイク
続いては、音楽原作キャラクターラッププロジェクト“ヒプノシスマイク”のポッドキャスト「Spotify HYPNOSIS WAVE」(以下、ヒプナミ)。ヒプナミは、J-WAVEで毎週金曜24:30からオンエア中の番組がベースとなっている。ヒプマイのキャラクターが週替わりのナビゲーターを務め、リスナーの悩みを聞き、アドバイスやエールを送る。ポッドキャストでは、ラジオ本編と未公開パートがセットになって配信。第4週は、メインナビゲーターのサッシャが、ヒプマイの楽曲を担当するアーティストをゲストに迎え、制作の裏話を聞く。
#5(3月6日配信)の、イケブクロ・ディビジョンBuster Bros!!!山田一郎(木村昴)の回は、このように始まった。
山田一郎「今月は、俺たちBuster Bros!!!がHYPNOSIS WAVEをジャックしてやるぜ。それにしても、すげえ夜景だなぁ。このスタジオさ、ビルの高いところにあっから、街が一望できて、とにかくすげぇんだ」
J-WAVEのスタジオは六本木ヒルズにあり、“彼らがスタジオにいてラジオのナビゲーターを務める”リアリティを追求している。
そして、アニメやアプリゲーム、2.5次元の舞台と、メディアミックスが広がるヒプノシスマイクだが、やはりコンテンツの肝はキャラクター達のラップだ。その楽曲制作には、業界の名だたるアーティストが関わっている。
💥Spotify HYPNOSIS WAVE💥
12回目の今夜は、
Bad Ass Templeの "#開眼" を手がけた
#MOROHA のAFROさん
(@MOROHA_AFRO) が登場🔥"Bad Ass Temple VS 麻天狼" 配信中🎧
👉https://t.co/Vt6RF7t6Gfポッドキャストはこちら🎙
👉https://t.co/uxgU7k44UV#ヒプナミ @hypnosismic@813Hypnosis pic.twitter.com/hpCq7Of17O— Spotify Japan (@SpotifyJP) April 23, 2021
#jwave #ヒプナミ 第12回目💫#MOROHA の楽曲は #Spotify でも聴くことができます!
気になった方はぜひこちらから聴いてみてください👀@YAVAY_YAYVA@MOROHA_AFRO@MOROHA_UK@SpotifyJP https://t.co/LdQVmHKNmH— Spotify HYPNOSIS WAVE (ヒプナミ) (@813Hypnosis) April 23, 2021
#4(2月27日配信)には、オオサカ・ディビジョン どついたれ本舗に楽曲を提供した、ウルフルズのトータス松本が登場。サッシャが「ヒプマイをきっかけに、楽曲提供アーティストのファン層が広がっている」と言及すると、トータス松本も「“子どもがいるファンから家族共通の話題ができた”などの声が届いている」と話した。なお、トータス松本自身もヒプマイファンの娘から背中を押され、楽曲提供への関心を深めたとのこと。
また、ヒプマイ×Spotifyのコラボレーションはもう1プログラムある。ヒプノシスマイク公式YouTube番組「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- HPNM Hangout!」のアフタートークのポッドキャストだ。5月5日配信の#14より、隔週から毎週配信にリニューアルした。メインナビゲーターは、イケブクロ・ディビジョンのキャスト3人(木村昴、石谷春貴、天﨑滉平)。おすすめのラップを15秒でプレゼンする新コーナーでは、木村がKEN THE 390 - Overall feat R-指定, 般若の『Overall』を紹介した。プレイリストが公開されているため、ポッドキャストと一緒に聴くことができる。