あいみょん「桜が降る夜は」の歌詞とリンクした『恋とオオカミには騙されない』で目まぐるしく動く恋 複雑な3つの三角関係とは?
三角関係が繰り広げられているのはあおい(川口葵)を巡るそら(井上想良)とつな(綱啓永)の親友ペアも同じだ。さらにそこにそらに想いを寄せるTakiが加わり積極的なアプローチを見せる。本作で初めて月LINEを使い、自分のライブ終わりにそらを呼び出す。オンラインライブ配信をアトリエで他メンバーと観ていたそらは会場に急ぎ、Takiは「そらくんのことを見ないように言ってもいい?」と照れながらも「そらくんのために歌ってたの」と何とも可愛らしい告白。月夜の下、ステージに上がりイヤホンを片耳ずつ分け合い、向かい合って手を取り合いながら一緒に踊る。そらから曲の意味を聞かれたTakiは「Your smile makes me brake」(あなたの笑顔に私はやられた)と英語で伝える。
あまりに美しく終始映画のワンシーンのような甘美な時間が2人の間に流れていた。さらに背中に「SUKI(好き)」と指でなぞり、想いを伝えたTakiにそらもタジタジで、大きく心を掴まれたようだ。まさに主題歌のサビ通り、〈どうして?と聞かれても分からないのが恋で この体ごと貴方に恋してる〉をTakiが体現してくれていた。
と、そこに入るあおいからそらを誘う太陽LINEが入るが、中間告白ではこのあおいを巡る三角関係、それからそらを巡る三角関係の行方が気になるところだ。同じく、りょうかを取り巻く三角関係と、もくだい(杢代和人)がりょうかを誘った太陽LINEデートがどうなるのかも見ものだ。
好きな人が別の相手の前で見せる顔と、自分の前での顔のギャップを比べて〈遠くに見える貴方はまるで知らない誰か 真面目な顔は好きだけど今は見たくない〉とあいみょんは歌うが、正に言い得て妙。近かったはずの距離が、いつの間にか離れてしまっていて自分には引き出せない大事な人の素顔を、なんてことなく引き出せてしまう相手が別にいる。本シーズンの「オオカミは誰だ?」という錯綜が引き起こす目まぐるしい恋の変化は、そんな恋愛の残酷でありながら醍醐味でもある部分を明らかにしている。
遂に中間告白が待ち受ける。まだまだ動きそうな恋の矢印ももちろん、オオカミがいると疑われNOTオオカミ宣言を行うのは男女どちらかも含め、見どころ満載回となりそうだ。
■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで年間の劇場鑑賞映画本数は約100本。Twitter:https://twitter.com/Tominokoji