TikTokと伝統文化のコラボが生み出す“社会的意義” 『TikTok HANABI LIVE』から考える

TikTokと伝統文化が生み出す“社会的意義”

 2020年、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、飲食や旅行など、接触や移動を伴うものだけでなく、芸能・スポーツなどカルチャーにかかわる領域も含めて、あらゆる分野に及んだ。日本の特徴である四季を彩る行事もそうで、世界に誇る文化のひとつである「花火」においても、花火大会が軒並み中止に。各団体がいまなお、存続の危機にさらされている。

 これらの花火大会を救うべく、配信に乗り出したプラットフォームがTikTokだ。同社は日本花火推進協力会とタッグを組み、7月にライブ配信機能「TikTok LIVE」を使った『TikTok HANABI LIVE』を実施。配信オンリーとなる新しい形の花火ショーを、10万人以上の国内ユーザーが視聴した。

 同配信の成功を受けて、1月23日には『TikTok HANABI LIVE-みんなの願い-』が行われた。この配信では、文化庁日本博のイノベーション型プロジェクト「みんなの花火」とコラボ。新年の願いとコロナ収束への祈りを込めて、このタイミングでの開催となったようだ。演出も前回からアップデートされており、Xiro「好きじゃなく大大大好きなんだ!」や川崎鷹也「君の為のキミノウタ」、Ryuki「僕の横で眠るキミが」、Shuta Sueyoshi「HACK」、Sui「可愛い君が愛おしい!」、平井大「Stand by me,Stand by you.」などの音楽に乗せて花火が打ちあがるだけではなく、和太鼓グループ「彩-sai-」による力強い演出や、高橋洋子が「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPIRIT」を歌唱する一幕も。映像と音楽の好相性を示してきたTikTokの強みがうまく反映されており、既存ユーザーにとってはいつものTikTokと地続きで見ることができ、新たなユーザーにとっては他の動画プラットフォームよりも気軽に視聴できることを、身をもって感じることができたはずだ。

撮影=花火鑑賞士 岡 広樹
撮影=花火鑑賞士 岡 広樹

 また、2020年末にユーザーから募集し、世界各地から約1万件もの応募があった「2021年の願い」のうち、抽選のうえ100名の願いごとを花火玉に取り付けて打ち上げた。その様子をみたユーザーから、「感動した」「勇気と希望をもらった」といったコメントが多く寄せられた。

 今回の配信はイギリス、韓国、シンカポール、ベトナム、インドネシア、マレーシア、台湾、中東、アフリカの海外9つの国と地域にも届けられ、視聴者数は19万人強を記録。日本の平均視聴時間は約12分と、幅広いユーザーに長く楽しまれるコンテンツとなったことが数字でも証明された。

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