「一度使ったら手放せない」と話題のトラックボールマウスを体験してみた

『M575』と『MX ERGO』。結局、どっちがいいの？

　さて、ここまでトラックボール式マウスの名機2機を比較してみたが、結論としてどちらをおすすめしたいか？

　これは難しい問題で、使用感としてはやはりMX ERGOを推したいところではあるが、価格はM575の倍以上とかなりコストがかかってしまう。その点を鑑みるに、多くのユーザーがM575で満足するようにも思う。

　今回、2機種を比べた事でMX ERGOの方が使用感が良いという事は分かった。しかし高価なものの方が使いやすいというのは、ある意味当たり前の事でもある。その先入観を払拭するために、今回2機種を試す際にまずは安価なM575を2日使ってみて、そのあとでMX ERGOを触った。

　すると、M575を使った段階でも何一つ不満はなかったばかりか、MX ERGOを使い始めた時にも「思ったより変わらなくね？」と思ったのである。もちろんしばらく使い込むと　　MX ERGOの良さは確認できたのだが、ファーストインプレッションでは大きな違いを感じる事はなかった。よって、基本的にはM575で十分なのではないかと思う。

　ただ一点、どう考えてもメリットになるのがカスタム可能なボタンの数で、これに関してはMX ERGOは6つも搭載されているのが大きい。クリエイター等ショートカットを多く利用したいユーザーであれば、悩むことなくMX ERGOを利用すべきだ。

　逆に筆者のようにそこまで複雑な使い方をしないユーザーであれば、M575で十分だろう。

　トラックボールマウスは在宅などで何時間も作業を続けて手が腱鞘炎になってしまった、などマウスの使用率がかなり高い人には勧めたい製品だ。しかし筆者のように、長時間PCの前に座ってはいるけども文章ばっかり書いているユーザーであればわざわざ買い替える必要もないかもしれない。将来的に、マウスの買い替えを検討する際に考慮するので十分ではないか、とも思う。購入の際にM575とMX ERGOで迷った際には、こちらの記事を参考にしてもらえれば幸いだ。

■長門繭
フリーライター兼イラストレーター。ブログ運営を中心に2016年からライターとして活動を開始し2018年に独立。エンタメ系、旅行、テック、時事など得意分野は幅広い。現在はイラストレーターとしても活動中。