店舗での“リアルタイム顔認識システム”導入の是非ーー英スーパーの試行利用が問題に

 英国個人情報保護監督機関(ICO)は「これらの民間企業はこのようなプライバシーに直接的に関わる技術を使用する際には、それに値する正当な理由が必要である」として、現在存在する民間の顔認識システム企業の現状調査を行なっており、Facewatchもその対象となっている。

 また、これらの技術には様々なバイアスがかかっており、完璧に個人を特定できるとは限らない。以前の記事でも紹介しているように、顔認識システムには様々な偏見が点在しており、適合率に関して完璧とはいえない。このような不安定なシステムを利用し、個人をブラックリストに追加していく行為は果たして倫理的なのだろうかという疑問が残る。

 顔認識システムの技術が発達し、一定の質のものをより低価格で市場に提供できるようになることで、システムを開発する企業が増え、利用企業も爆発的に増加している現在。一度立ち止まって、どのような規制を設けるべきかをもっと考察していく必要があるのではないだろうか。

(画像=Pixabayより)

■mugiho
ニュージーランドの大学でマオリ文化の発展・都市計画・教育について学びながら映画、テック、文化芸術について執筆するフリーライターと翻訳家。人間観察をしながらたまにそれらについて書いたり撮ったりしている。

〈Source〉
https://www.wired.com/story/uk-stores-facial-recognition-track-shoppers/
https://privacyinternational.org/long-read/4216/facewatch-reality-behind-marketing-discourse
https://www.facewatch.co.uk/
https://realsound.jp/tech/2020/10/post-645067.html
https://ipvm.com/reports/facewatch-gdpr
https://ico.org.uk/for-organisations/guide-to-data-protection/guide-to-the-general-data-protection-regulation-gdpr/legitimate-interests/what-is-the-legitimate-interests-basis/

 

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