充電不要の三輪EV車『Paradigm』登場 新たな形のソーラーエコカーはなぜ実現した?

 自動車スタートアップのApteraは先日、充電不要を謳った新しい三輪EV『Paradigm』を発表した。

 Apteraの最初の試みだったAptera 2eは、2011年にアメリカ合衆国エネルギー省(DoE)よりエコカーとして認可された後、資金調達に失敗しプロジェクトが中止となった。

 あれから10年、今回の再挑戦で一番の注目点は「充電不要」という点だろう。Never Charge technologyと名付けられた太陽エネルギー発電システムは車体の屋根に組み込まれたソーラーパネルで70km(45マイル)の航行距離を可能にした。これは長距離を走らない日常使いの利用に限られるがまさに、誘電不要だ。同時に車体のハッチやボンネットの部分にソーラーパネルを追加することでさらに40km(24マイル)の航行距離を確保できる。実際は最大スペックのオプションで100kWhのバッテリーで1600km(1000マイル)の航行距離を記録している。

太陽光発電車の挑戦

 Apteraは創設以来、太陽エネルギーに注力してきた。2007年に発表されたプロトタイプでは、屋根に取り付けられたソーラーパネルを利用してエアコンシステムを稼働させていた。だが、近年の太陽エネルギー技術の発展により、現在はさらに効率的なエネルギーの変換が可能になったため、今回のソーラーエコカーが実現。この太陽エネルギーの技術開拓のおかげで、Apetraだけではなくトヨタの大人気ハイブリッドプリウスシリーズも、屋根にソーラーパネルを導入し、エアコン稼働を可能にした。

 現在、トヨタもソーラーパネル発電による航行距離を伸ばす研究を進めているが、ソーラーパネルのオプションは現在も9%の顧客に選ばれているという。

 他にもドイツのミュンヘンを拠点にしたSono Motorsは、クラウドファンディングで資金調達を果たし、太陽光発電の車を開発した。しかし、これも太陽光発電に完璧に頼るのではなく、電気充電に少しの航行距離を加えられるというものだ。実際、太陽電池による効率は20%と推定されており、マーケットとしてもまだまだ開発の余地がある。

 太陽電池における一番の問題として挙げられるのが、車体の表面積だ。車の表面積における太陽光の確保は、車体の形や表面積の少なさから難しく、また同時にソーラーパネルからの発電への変換の効率の低さが課題だった。

 しかし、Apteraは今回の新作開発に向けて、アメリカ政府の一部である国立再生可能エネルギー研究所がオープンデータとして提供している「太陽光パネルの位置調整による効率的な太陽エネルギー生産」のデータセットをもとにベースのモデルを設計することによって、これらの問題を解決することができたと話している。その後、太陽の動きなどに合わせた太陽電池の位置を見定めながら1000時間もの現場テストを経て、今回の新作ソーラーカーへと応用した。

関連記事