「VRインタラクティブストーリーアクション」を実現した『ALTDEUS: Beyond Chronos』クリエイター陣の創意工夫

『アルトデウス:BC』制作陣インタビュー

UIとアニメーションの巧みな合わせ技

ーー触覚的な側面だけでなく、UIといった視覚的な側面でも操縦している際の“没入感”が演出されているように感じたのですが、いかがでしょうか?

中地:基本的にボタン操作でマキアを操縦するので、奥行きをつけてUIを配置したり、少し触るとUIが動いたり、手の触れる位置に合わせてUIの角度を変えたりしました。

 UIをつくる際、デザイナーさんに起こしてもらった2DのデザインをVRに実装するので、いざVRの立体空間で操作してみると立体感を感じず没入感が薄れてしまって。現実世界で自分がマシンを動かしているわけでなはいからこそ、UIを通して操作することで巨大な何かを動かしている感じを出す必要があります。

柏倉:自分が指示を出すと何か人工的なプログラムが走ってマシンが動く、という感じを出すことが重要です。マシンに乗っている感覚を得るためには、UIや演出が大事なんだなと痛感しました。

 ちなみに、マキアを操縦している際、マキアが歩いて敵に近づいていると感じましたか?

ーー前に進んでいる感覚はありました。

柏倉:敵やアレス・マキア(ヤマト ※CV.小林裕介さんが搭乗するもう一つのマキア)は動いていますが、クロエ(CV.鬼頭明里さん)のアルト・マキア自体は一切前に進んでいない、動いていないんです。コックピットの外から見ると微動だにしていません(笑)。画面に表示されているマーカーの動き、マップが進んでいるとか、田村さんが先ほど言っていたコントローラーの振動とか、そういった細かい要素で“動いているように”見せています。

 というのも、処理負荷の問題があったため、街の再現や荒野でも瓦礫などの物体を置くのが難しかった。じゃあどうするか考えたら、視点を高くすればいいと。あえて景色を見えづらくしました。それでも対象物(敵やマーカー)さえ動いていれば、自分も動いているように錯覚します。

 コックピット内部から見える外の景色を限定しているのも同様の理由です。横が映ってしまうと、動いていないのが分かるので視界を限定しています。マキアの400メートルのサイズは、これらの条件から導き出されたサイズなんです。

中地:コックピット内を一切動かさずに移動している感覚を演出するのは大変でしたよね。処理負荷と表現したいことのバランスを上手く取りながら開発を進めていました。

柏倉:Oculus Questはすごくパワーのあるマシンではないので、処理負荷の問題は細かいアニメーションの演出でカバーしています。カッコよく見える上に比較的軽い処理が実現できたのはすごいなと。

田村直彬氏

ーーどのようにアニメーションでカバーしたのでしょうか?

田村:プレイヤーが触るUIの他にも状況演出のための多数のUIが現れるのですが、一つひとつに出現と消去のエフェクトをかけるのは処理負荷が高くなるので避けたかったんです。だからアニメーションの拡大縮小の動きだけでそれらのUIが出たり消えたりするのを演出していました。それだけでも処理の重さが変わってくるので。

中地:同じように半透明を表現するのは処理が重くなるのですが、インタラクションのUIに半透明の要素がいくつかあったんです。それを相談したら、光のアニメーションを何フレームに一回表示させて半透明に見せる方法を教えてもらいました。

柏倉:アニメーションの世界でも稲妻や火花を表現するときに使う技法で。それを応用しました。アニメーションの経験があったから思いついた技かなと。



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