Spotify芦澤紀子×クリエイティブマン清水直樹に聞く、“プレイリストライブ”が日本で実現するまでの過程

Spotify芦澤紀子×クリエイティブマン清水直樹に聞く、“プレイリストライブ”が日本で実現するまでの過程

「しばらくライブ+ストリーミングを併用する時代は変わらない」(清水)

――今回のプレイリストライブは、アジアの中でも初めての試みになるわけですよね。

芦澤:そうですね。アジアでは「Spotify On Stage」というライブイベントはありますが、プレイリストの名を冠した大規模なものはこれまでありませんでしたから。さらに、オンラインのみのイベント主催については、グローバルでも初ということもあり、各国のスタッフも注目してくれているようです。

ーーこれは清水さんに伺いたいのですが、環境要因もあるとはいえ、オンラインライブが興業の主流になっている現在を、どう見てらっしゃるのでしょうか。

清水:僕らは『SUPERSONIC』が中止になって以降、その動きに切り替えていて。こんな時期だからこそ、できるだけオンラインライブを通して、日本の方に海外のアーティストを紹介したいと思って、一斉に各国のエージェントやマネージメントに打診したんですが、各国からいろんな反響があって。ここ最近もデュア・リパやサム・スミスなど、10~20アーティストくらいの公演予定を出しています。これまでの関係性もあってだと思うのですが、次々に僕らと一緒にやることを選んでくれていて、ビジネス的にも手応えを感じています。

――そうなってくると、クリエイティブマン社内の組織編成も大きく変わってくるのでしょうか。

清水:これまで『SUPERSONIC』ではWOWOWさんとリレーションを組んでいる収録チームのスタッフを立てていたんですが、そのスタッフは毎年『SUMMER SONIC』が始まるにつれてどんどん忙しくなっていって、『SUMMER SONIC』の時期になるとパニックになる“季節労働者”みたいな人間だったんです。でも、オンラインライブのプロジェクトが進み出してから、そのスタッフがノウハウを知っていることがすごく活きていて、一年中忙しい状況になっているんです。今後はそういった立場のスタッフが増えていくでしょうし、組織的にも改革を進めているところです。

――来年以降の話もちょっとお伺いしたいのですが、こういう状況のなかで来年はプロモーターとストリーミングサービスはどうなっていくと思いますか。

清水:僕らはエンターテインメント業界の中で一番最初にストップして、オープンされるのも一番最後という状況に陥っていますが、それはもうある段階で覚悟しているところはあるんです。だから、来年以降は規定のもとに、50%のキャパシティで何ができるのか、80%、100%となったときにそこからどうスタートできるのかということを、そのとき定められた内容に則ってやるしかないんです。元に戻ったとしても、しばらくはライブ+ストリーミングを併用する時代は変わらないと思うので、プロモーターとしてはそれが同時に行われるものという前提で動いたり、企画の段階からオンラインライブありきで物事が進んでいくのが今後のスタンダードになっていくんだと腹を括っています。

芦澤:いろんな世の中の価値観とか今まで常識だと思っていたことが変わった年だなと思ってはいるんですけど、ストリーミングサービス、デジタル配信だからこそ影響を受けていない部分、影響を受けたけど、新しい形でアーティストをサポートしていけるところがあると思っています。Spotifyとしては、世界に向けてのルートを作ってあげられるように応援することを続けていきたいです。

――2社で取り組んでいた『Early Noise Night』ができなくなったことに関連して、苦労しているであろう若手のアーティストたちに、何かメッセージはありますか。

芦澤:プレイリストの『Early Noise』とライブの『Early Noise Night』は、これまで新人発掘の両輪として運用してきて、そこからOfficial髭男dismやあいみょんがブレイクしたことに、ストリーミングサービスとして貢献できたと思うんです。でも、今年は3月にLIQUIDROOMで開催しようとした『Early Noise Night』もコロナ感染拡大の状況によりキャンセルになってしまって、先行きも不透明だしどうしようかと思っていたんですが、きめ細かくプレイリストに楽曲を入れたり、ソーシャルへの投稿連携を強化したりと、アーティストとリスナーのタッチポイントを増やしていった結果、今年の「Early Noise」プログラムから、VaundyやNovelbrightのように大きなヒットにつながるアーティストもしっかり生まれました。音楽の聴かれ方も、バイラルチャートで急上昇した曲をきっかけに世に出るアーティストが増えるなど、インターネットカルチャーからでてきたアーティストが短い間でブレイクする現象を何組も見た一年でもあるので、ライブはできなかったとしても、アーティストのブレイクの仕方は多様になってきているからこそ、Spotifyのようなストリーミングサービスを有効活用していってほしいです。

清水:毎年やっている「出れんの!?サマソニ!?」という新人オーディションがあって。今年も「出れんの!?スパソニ!?」として開催して、ライブ審査の手前までは進んでいたんですが、結果的にイベントが中止になってしまって。そこで受かった3〜40組のアーティストに関しては、来年必ず開催するから、その際はシード枠として出てほしい、と話しました。彼らが「もう演奏できないんだ」と思うことが一番よくないと思ったので、その子たちが目を輝かせて出ることができる場所をしっかり作れるように、僕らも頑張っていきたいです。

■イベント詳細
『Spotify presents Tokyo Super Hits Live 2020』
開催日時:2020年11月26日 19時30分Open/20時Start 終演予定時刻は22時30分
視聴方法:『Streaming+』によるオンラインライブ
配信対象国:日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾、香港、シンガポール、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア 他予定
チケット販売:
前売り期間 11月12日11時から11月27日21時まで
       ※11月24日0時以降は支払方法がクレジットカード決済限定となる
販売サイト:https://tokyosuperhits.jp/
価格:3500円(税込み)
主催:クリエイティブマンプロダクション
協力:GYAO!、Moment Tokyo
企画・制作:Spotify Japan、クリエイティブマンプロダクション、イープラス
プレイリスト:「Tokyo Super Hits Live 2020」

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