『バーチャル渋谷』はコロナ禍の、そして未来のエンタメを示すーーきゃりーぱみゅぱみゅライブに感じたこと

『バーチャル渋谷』KPPライブに感じたこと

 2020年、新形コロナウイルスの影響は、いまだ世間に暗い影を落とし続けている。

 社会的なイベントだけでも、オリンピックや大型フェス、夏祭りなど、国を挙げた行事から地域振興・自治体に関するイベントは軒並み中止となり、10月に入って、街並みや公共交通機関に人は戻りつつあるものの、人が一箇所に集まる機会はいまだ戻らないままだ。例年人が集まる渋谷のハロウィンも、今年はKDDI株式会社、一般社団法人渋谷未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会を中心としたバーチャルハロウィーン実行委員会が、新型コロナウイルス感染症の影響や予防観点に伴い、2020年のハロウィーン期間中、渋谷区内への来街自粛を要請。その代わり、渋谷区公認配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」内で、10月28日より「#StayVirtual」をキーワードに、新しい時代にそった日本最大級の無料バーチャルイベント「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」を開催することを発表した。

 イベントは26日にオープニングレセプションを開催する予定だったが、世界中から「バーチャル渋谷」へのアクセスが殺到したため、当日の実施はやむなく中止に。28日に仕切り直して行われたイベントへ、筆者も参加してみた。

 「cluster」に再現されたバーチャル渋谷には、街並みがしっかりと再現されており、どこのビジョンに何が映っているとか、フォトスポットでハロウィンっぽい写真を撮れるなど、今年の渋谷の街では味わえないハロウィンらしいイベントも楽しむことができた。そんなバーチャル渋谷の中心に、特別なワープゾーンが登場。オンラインゲームのポータルのようで、先に何が待っているのかとワクワクさせられた。

 そんなワープゾーンに入って移動すると、視線の先には特設ステージが。少し時間を置いて、ステージ上にはきゃりーぱみゅぱみゅとダンサーが出現。バーチャルミニライブがスタートした。

 参加者のアバターが動き回ったり、拍手をするなどのエモーションが表示されるなか、「ファッションモンスター」と「Crazy Party Night ~パンプキンの逆襲~」の2曲を披露。後者はいわずもがななハロウィンソングだが、「ファッションモンスター」もハロウィン風のMVが特徴的だった楽曲。この時期にピッタリな2曲で、演出も、ハロウィンにぴったりな形で、カボチャのアイコンなどが乱れ飛ぶなど、季節感たっぷりにステージを盛り上げた。clusterでは実際にステージの下からきゃりーを見上げる形ーーいわゆるフロアからライブを楽しむ視点で楽しむことができたし、YouTubeではカメラがドローンで動いているように寄ったり引いたり、バーチャル渋谷の全景を映したりしながら、両サービスのコメント欄も大盛り上がり。熱狂を加速させる形で楽曲が進行していった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる