近日テレビ番組化? 本格的すぎるサバイバルYouTubeチャンネルに注目

本格的なサバイバルYouTubeに注目

 昨今、リモートワークや配送サービスなどで、文明の利器の恩恵を受ける機会がさらに増えた。そんな文明の利器の代表であるスマートフォンを使い、少しばかり野生を取り戻してみよう。

 「プリミティブテクノロジー」は原始時代の生活、技術を紹介しているYouTubeチャンネルだ。チャンネル登録者数は2020年10月時点で1000万人を超えている。

 類似のサバイバル動画と一線を画すのはその硬派な構成だ。ジョンが身につけているズボンと動画を撮影するカメラ以外は全て自然物から造りあげたもの。解説は字幕(日本語字幕あり)のみで、ジョンは一貫して無言で、BGMもオーストラリアの森林の環境音のみ。耳から自然の雄大な感じることができるのも魅力だ。

 特によく知られているのは、森の中に一から小屋を造りあげる動画だ。7600万以上の再生回数を誇る、タイル屋根の小屋を見てみよう。

 サバイバルと聞いて、木材から自作する程度なら想像できる。だが、ジョンは木を切り倒すどころか、そのための斧すら自作している。

 動画のタイトルにあるように屋根用のタイルが必要なのだが、タイルを焼くための窯も土から自作。

 最終的に完成した小屋がこちらだ。一目見ただけで完成度の高さがわかる。

 他にも自作した弓矢でアーチェリーをしたり(https://www.youtube.com/watch?v=SLoukoBs8TE)、毒のある木の実を川に一週間浸して解毒後ビスケットにしたり(https://www.youtube.com/watch?v=eVvQnsKuOcE)など、刺激的な動画が沢山あるので是非チェックしてみてほしい。

 ストイックな動画が魅力だが、さらに深く彼のサバイバル哲学に触れてみたい時は、ブログや書籍に触れてみよう。ジョン自らサバイバル技術を解説した書籍『サバイバリストのための、道具や家やいろいろなものを自然の中で作るガイド』は日本語でも出版されているので、秋の夜長の読書にいかがだろうか。

 ズボン1枚で見事な火起こしを披露するジョンは一体どんな人物なのだろうか。書籍のプロフィールを見るとジョンは大学を卒業し、就職後「同じ趣味の人たちの助けになれば」YouTubeにチャンネルを開設した。普段は一般的なオーストラリア市民として暮らしているのかもしれない。

 プライベートは謎に包まれていながらも、ジョンは月に1回程度のペースでコンスタントに動画を投稿していた。しかし、2019年12月14日に投稿された動画を最後にプリミティブテクノロジーは突如更新を停止した。その後、オーストラリアで大規模な森林火災が起きたこともあり、世界中のファンが彼の安否を心配した。

 だが、朗報がある。2020年5月に公式コミュニティ上でジョンの代理人がある文章を投稿した。

「ジョンは元気にしているよ。 残念なことに今はまだ言えないんだけど、現在テレビ番組の制作に関わっているんだ」(レディットのプリミティブテクノロジー公式ページより抄訳)

 この発表に、多数の祝福や安堵のコメントが寄せられている。近い未来、新たなジョンの活躍が見られる日を心待ちにしていよう。

(画像=全て「タイル屋根の小屋」より引用)

■日比生梨香子
英国の大学を卒業後フリーライターになりました。山口百恵ファンです。サブカルチャーに関心があります。@highrika1212

〈Source〉
https://www.youtube.com/channel/UCAL3JXZSzSm8AlZyD3nQdBA
https://www.youtube.com/watch?v=P73REgj-3UE
https://www.youtube.com/watch?v=SLoukoBs8TE
https://www.youtube.com/watch?v=eVvQnsKuOcE
https://www.reddit.com/r/PrimitiveTechnology/comments/gscvv8/an_update_on_primitive_technology_and_johns/
https://www.amazon.co.jp/dp/4297114984/

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