『今日好き 夏空編』最終話ーー告白の成功と失敗続くなか、衝撃的な“第三の選択肢”が飛び出す

『今日好き』最終話レビュー

 最後は、もはや結果がわかっているが……みらいがふうたに想いを打ち明ける。それでも彼らの表情は神妙ながらも、時折に吹っ切れたように爽やかだ。みらいは「自分に自信がなくて、(ふうたと)釣り合わないと思って、すごい自分を追い込んだり考え込んだりして不安になってたんだけど……」と、これまで悟られないようにしてきた迷いを打ち明ける。

 それでも、自身がふうたにとって年齢的にも“お姉さん”であることから、「頼れる存在になりたいと思っているし、ふうたくんの気持ちを理解できるような存在になりたいと思っています。本当にこの旅で出逢えてよかった」と、未来への希望をを託す。……が、やはり付き合うことはできなかった。「まだ、すずかちゃんのことがあって、自分で気持ちの整理が全然できてなくて……だから、ごめんなさい」と、ふうたは語る。

 しかし、肝心なのはここから。ふうたは続けて、「でもお願いしたいことがあって。みらいちゃんのことがもっと知りたくて。だから、僕と一緒に次の旅、一緒に行きませんか? お願いします」と、付き合うか否かという次元を超えた、間違いなくポジティブで新しい選択肢を提案したのだった。その言葉は、みらいにとってあまりに予想外だからこそ、涙が込み上げてくるのも無理はない。最後には「ありがとう」と、そっと、お互いに少しだけ触れるような握手を交わし合って、2人は別々の方向に別れていった。

 みらいの思いやりに溢れて温かく、だからこそ切なすぎた努力は、この旅の最後には決して無駄にならなかった。「高校生活いちばんの思い出になりました。次の旅、続けたいです。ふうたくんに会いに行きます。絶対に」と語る彼女には、次の2泊3日の先にある幸せが見えているのかもしれない。

 『今日好き』の歴史に残るふうたとみらいの告白は、夏の終わりのように淡く爽やかで、甘酸っぱかった。次の旅に参加するだろう彼らはもちろん、『夏空編』に参加した9名全員にとって、この2泊3日で見つけた恋の輝きはいつまでも胸に宿り続けることだろう。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

■番組概要
『今日、好きになりました。夏空編』
放送日時:毎週月曜 夜10時~夜11時
放送チャンネル:AbemaSPECIAL
配信はこちら
(C)ABEMA

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