石橋貴明「貴ちゃんねるず」だけじゃない! 鬼才演出家・マッコイ斎藤が存在感示すYouTubeチャンネル
お笑い芸人YouTuberのトレンドや話題の動画を深堀する本企画。今回は「マッコイ斎藤の動画」に注目した。
■石橋貴明「貴ちゃんねるず」
マッコイ斎藤は、テレビのバラエティ畑で長らく活躍する業界関係者から“鬼才”と称される演出家兼ディレクター。これまで手掛けた人気番組は『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)、『天才たけしの元気が出るテレビ』(日本テレビ系)など数知れない。
その名がYouTube界隈で脚光を浴びるきっかけになったのは、石橋貴明のYouTubeチャンネル「貴ちゃんねるず」だろう。
6月19日に公開されたオープニング動画「石橋貴明、58歳。YouTube、はじめるでしょ。」でマッコイは、「タカさん、YouTubeやりません?」と、御年58歳の石橋をYouTubeの世界に誘い込む水先案内人として登場。以来、様々な企画で石橋の相棒的ポジションにつき、同チャンネルを盛り上げている。
マッコイが手掛ける動画は、いわゆる“YouTuber的”ではない。YouTubeでは、「みんながやっていることを自分もやること」がセオリー。YouTube内で流行っている企画を取り入れれば、ユーザーの関連動画欄に表示され、クリックされる確率が上がる。モーニングルーティンやナイトルーティン動画、歌手・瑛人の楽曲「香水」のMVカバー動画などが毎日のようにアップされていることには、そういう理由もある。
しかし、マッコイはYouTubeのそうした慣習に乗らない。ついでに、YouTuberがやりがちな「〇〇な説」「モニタリング」「帰れま10」など、人気バラエティ番組の模倣もやらない。あくまで演者の特性に合わせたオリジナル企画が中心だ。
最近も「貴ちゃんねるず」では、「東京アラートラン」という独自企画を立ち上げたばかり。コロナ禍で苦しむ飲食業界を救済すべく、コロナが明けたら行きたい飲食店を紹介するという、どことなく「みなおか」の「きたなトラン」を彷彿とさせる同企画だが、YouTubeに最適化されたフットワークの軽さも見られる。
特に、8月13日に公開された家族経営の焼肉屋を紹介する動画の評判はすこぶる良い。大ファンである石橋の登場により腰を抜かす店主の母に、石橋がサラッと「助けに来たよ」と手を差し伸べるシーンを取り上げて、講談師の神田伯山などは自身のラジオ番組で「スターにしか言えない。それが嫌味じゃない。グッときちゃった」と絶賛していた。
■竹原慎二「竹原テレビ」
マッコイは、プロボクシング元世界チャンピオンでタレントの竹原慎二の公式YouTubeチャンネルでも辣腕をふるっている。
2014年に膀胱がんと診断され、余命1年を宣告された竹原は、約1年間の入院生活を経て奇跡的に生還。YouTuberたちが楽しそうにしている姿を見て「どうせ1回の命なら楽しくやりたい」と思い立ち、番組制作・企画力を見込んでマッコイに自身のチャンネル「竹原テレビ」を任せた経緯を持つ。
そんな「竹原テレビ」で特にバズったコンテンツは、竹原が、バラエティ番組『ガチンコ!』(TBS系)の名物企画「ガチンコ・ファイトクラブ」で共演した網野泰寛氏との対談企画だ。
網野氏は「プロボクサーを全然目指していなかった」「3回くらいで『やってらんねえよ!』と辞めるはずの役だったけど、(スタッフから)『1番人気があるから、お願い辞めないで』って言われた」と語るなど、当時の撮影の裏側を暴露。その赤裸々な内容が大ウケし、対談前編にあたる動画「【竹原ガチンコ対談】ゲスト網野泰寛/20年ぶりの再会!今だから話せるガチンコの裏話とは!?」は305万回再生、後編にあたる動画「【竹原ガチンコ対談】ゲスト網野泰寛・後編/当時の驚愕のギャラとは!?さらに番組後の凄まじい反響を語る!」は161万回再生(いずれも8月31日時点)と、驚異的な再生回数をマークした。