【ネタバレあり】『The Last of Us Part 2』は、映画を最も震え上がらせるーー映画評論家・小野寺系が“問題作”の可能性を考える
数々の作品が高い評価を受けてきた、アメリカのゲーム開発会社ノーティードッグのAAA(トリプルエー)タイトル『The Last of Us Part II』は、かつてない挑戦的なストーリーと趣向を用意し、多くのプレイヤーを戸惑わせる“問題作”となった。この騒動によって、あるキャラクターを演じた声優がSNSで脅迫を受けるという、冗談では済まない事態も起こってしまった。
その一方で、本作を絶賛する声も多いのは事実である。この激烈な賛否の渦を巻き起こした本作『The Last of Us Part II』とは、いったい何だったのか? ここでは、「プレイする映画」との異名を持つ本シリーズを、映画評論家の目線で読み解きながら、本作が真に描いたものや、そこから見通せるゲームの可能性について考えていきたい。
※本記事は、『The Last of Us Part 2』の終盤を除く重要な要素、及び前作のエンディングについてのネタバレを多く含みます。本作を既にクリアしている人々、あるいは本作を巡る批判意見を目にして作品を手に取ることを止めた人々、あるいはゲームの途中でプレイを止めた人々に向けた文章となっておりますので、未プレイの方はご注意下さい。