『M』田中みな実演じる「姫野礼香」の過去編『L 礼香の真実』にみた“アブない献身ぶりのルーツ”

『L 礼香の真実』1~4話レビュー

 礼香が行きつけの青山のバーで、バーテンダー・茂樹(堀夏喜)に自身の初恋話を語り始め、彼女の秘められた過去が明らかになっていくというストーリーで、初恋の相手は正幸(通称マサ)。そう、ここにもマサがいたのだ。これは世にも奇妙な「もう1人のMとの恋物語」である。

 小学生のころは体も弱く友達も少ない、スクールカースト下位にいたという礼香。成績優秀、クラスの人気者だった正幸に恋心を抱くも、ここで恋敵となるのが、学級委員長を務める歩夢(通称アユ)。礼香が小学生の頃にマサ、アユとの三角関係が実はすでに出来上がっていたのだ。

 歩夢から「正幸くんを好きになる資格なんてない」と言われた礼香。ガムをつけられたり、正幸に渡すはずだったラブレターを勝手に読まれて破られたりと、かなりの仕打ちを受ける。ここから礼香の復讐劇が始まるのだ。

 本編でもマサへの異様な執着を見せ、欲しいもののためには手段を選ばない礼香だが、そんな彼女の素地はこの小学生時代から既に形成されていたようだ。

Lの手口その1.目的遂行のために最適な人物と手を組む

 歩夢の取り巻き女子の1人に恐怖心を植え付け(本編での礼香もしょっちゅうハサミを人に突きつけるが、小学生の時点ですでにハサミを人に向けていて怖すぎる)自分に従わせる。

 そして、学級新聞の編集部員に招き入れ、歩夢のスクープ記事を出して転校にまで追いやるのだ。

 本編でもアユ(安斉かれん)を陥れようと、彼女のデビューに嫉妬する同期の玉木(久保田紗友)に入れ知恵したり、マサの右腕である流川(白濱亜嵐)の焦りやマサへの嫉妬心を上手く利用したり、はたまたマサの活躍を快く思わないA VICTORYの大浜社長(高嶋政伸)らと手を組んだり、あの手この手でアユの抹殺を画策していた。

Lの手口その2. スキャンダルは作るもの

 学級新聞で歩夢の“おもらしスクープ”を作り出すために、全ての女子トイレを先回りして使用中にするという狂気ぶりを発揮する礼香。

 本編でもどうしてもマサとアユの仲を引き裂きたいがために、2人の横浜のホテルデートを尾行して現場を隠し撮りをした執念に通ずる。「礼香の宅急便」と言って、大浜社長に嬉々として2人の逢瀬写真を差し出していた、あのシーンを思い出さずにはいられない。

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