Facebookに独占禁止法違反の可能性? Giphy買収を英国と豪州の当局が調査
「パンデミックを利用し権力強化?」米議員が主張
アメリカ連邦取引委員会(FTC)は、Facebookに対して、継続的な反トラスト法(独占禁止法)の調査を行っており、今回のGiphy買収についての対応をめぐり、米国内でも論争が起こっている。
ジョシュ・ホーリー上院議員(共和党)は「Facebookは、私たちのデータを取得するために、さらに多くの方法を探しています。インターネット上での存在感とデータ収集能力を高めるため、GoogleがDoubleClickを買収したのと同じように、FacebookはGiphyでデータをさらに収集しようと考えています 」と『The Verge』に主張している(参考:https://www.theverge.com/2020/5/15/21260653/facebook-giphy-acquisition-merger-elizabeth-warren-amy-klobuchar-josh-hawley-senate-antitrust)。
また、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員とアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員は、パンデミック独占禁止法案(Pandemic Anti-Monopoly Act)を提案している。これは、零細企業、労働者、消費者が深刻な経済的困窮を脱したと米連邦取引委員会が判断するまで、大規模な合併を一時停止するというものだ。
ウォーレン上院議員のスポークスマンは「Facebookの買収は、パンデミックを利用して、権力をさらに強化する巨大企業の一例です。同社はオンライン通信のコントロールを推進し、プライバシーを侵害してきた前歴を持つ企業です」と述べる。
一連の調査により、ユーザーのGiphy利用への影響はないとのことだが、巧みな買収戦略で知られるFacebookが、正念場を迎えているようだ。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。