Facebookに独占禁止法違反の可能性? Giphy買収を英国と豪州の当局が調査

Facebookに独占禁止法違反の可能性

 Facebookの企業買収について、イギリスの競争・市場庁(CMA)が、市場の競争を著しく阻害する可能性があるとして、調査を開始すると発表した。本件はオーストラリアでも調査が行われており、アメリカで議論を呼んでいる。

GIFのデータベース・検索の世界最大手、買収額は400億円超?

 『The Verge』が報じたところによると、調査の対象となっているのは、アメリカのGIF(グラフィックス・インターチェンジ・フォーマット)のデータベース検索の大手・Giphyに対する買収。買収額は公表されていないが、およそ4億ドル(約400億円)と言われている。

 GIFは、画像ファイルフォーマットの種類の1つで、Twitterといったソーシャルメディアでリアクションや感情を表現するためによく使用される。他にもSlackやiMessage等のメッセージングサービスでも使われている。

 GiphyはGIFに関する世界最大のライブラリーで、3000億点ものファイルを所蔵し、1日に7億5000万人が利用しているという。

 『Facebook』は買収発表の際、Giphyに流入するトラフィックの50%がFacebook傘下のアプリからで、そのうちの半分、つまり25%がInstagramからのものだと説明している。買収に伴いGIFライブラリーをInstagram等のアプリに、さらに統合する計画だという(参考:https://about.fb.com/news/2020/05/welcome-giphy/)。

Facebookは、正当性の証明に自信

 オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、英国当局よりも前に、調査を示唆している(参考:https://www.smh.com.au/technology/facebook-unafraid-of-scrutiny-as-accc-probes-giphy-deal-20200608-p550jh.html)。

 ACCCのロッド・シムズ委員長は「Giphyは歴史があるだけでなく、最大かつ最も重要なGIFサプライヤーであり、Facebookからこの買収について(事前に)通知されなかったことは驚きだ。もし懸念があれば、明らかに法的措置を取る必要がある」と述べる。

 Facebookのスポークスマンは「この買収が消費者、開発者、コンテンツ作成者に好意的であることを規制当局に示す準備ができています」と述べている(参考:https://edition.cnn.com/2020/06/12/tech/facebook-giphy-antitrust/index.html)。

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