Amazonにデータ不正利用疑惑、ジェフ・ベゾスが米議会で証言へ
アメリカ議会下院の司法委員会は5月1日、米テクノロジー大手Amazonが外部の販売業者のデータを不正利用した疑いについて、創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏に議会での証言を要求したと発表した。
販売データを使用して自社製品を開発、不当に競争上の優位を得た?
Amazonは、自社プラットフォーム上でサードパーティの出店者の販売データを使用して、自社ブランドの製品開発を行い、競争上の優位を不当に得た、とウォール・ストリート・ジャーナルが報じている。
しかしAmazonは以前の公聴会で、このようなデータの不正利用はないと証言しており、辻褄があっていない。
アメリカでは、巨大化するテクノロジー企業に対して、反トラスト法(独占禁止法)違反がないか、厳しい視線が向けられていると、その背景について『CNN』は説明する(参考:https://edition.cnn.com/2020/05/01/tech/house-judiciary-bezos-testimony/index.html)。
Amazonは「他の小売業者と同様に、弊社は顧客に最高のエクスペリエンスを提供するために、販売や店舗のデータを調べています。しかし、従業員が非公開の販売業者の機密データを使用して、プライベートレーベルの製品を決めることを固く禁じています」と、以前に立場を明確にしている。
しかし、書簡には「ウォール・ストリート・ジャーナルの記事の報告が正しければ、Amazonが、ビジネス慣行について委員会へ述べた証言は、誤解を招くもので、偽証の可能性があると思われる」と書かれているという。
ジェリー・ナドラー米下院司法委員長と、反トラスト小委員会を率いるデヴィッド・シシリーン下院議員により署名されたこの書簡は、自発的に証言しない場合は、強制力のある召喚状をジェフ・ベゾス氏に送る権利も有するとしている。
パンデミックが経営を圧迫、株価は下落
Amazonは、2020年第1四半期に、純売上高は前年同期比26%増の755億ドルを記録した。純利益は25億ドルを記録し、前年同期比で10億ドル減少した(参考:https://techcrunch.com/2020/04/30/amazon-q1-beats-on-net-sales-of-75-5b-but-posts-net-income-of-2-5b-down-1b-on-a-year-ago/)。
社会全体が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機的な状況で、サービスを提供するために、収益性は犠牲になった。営業利益も前年同期の44億ドルから40億ドルと減少し、その結果、Amazonの株価は約5%下落した。