ゲーム実況コンビ・幕末志士、大団円のその先へ “ヒモで縛らない二人三脚”で踏み出す新たな一歩
「二人旅 道はわかれど すぐ横に」
そして、活動を振り返るトークタイムに。「いろいろあったけど振り返ってみれば、全部いい思い出」(坂本)、「うん。本当そうです」(西郷)。これまで様々なネットコミュニティから追われるように去ってきた経験を持つ坂本は、Twitterでも「今回は僕の人生で唯一、黒歴史として終わらなかったエピソードになりそうです。ありがとうございます」とつぶやいていた。
先日のソロ配信では、進行中だったいくつかのプロジェクトを凍結させてしまうため、当面の活動は幕末志士で広げに広げまくった風呂敷をしまう作業をすることになるとも。それでも今回の最終回配信を受けて、人生初の大団円を迎えることができそうだとしみじみ語る坂本に、西郷が「終わる気でいるんですか?」と問いかける。「え?」思わぬツッコミに驚く坂本。さらに西郷は「私、最後に言いたいことがある」と続ける。あまりにも恥ずかしいので、事前に録音してきたという内容に、坂本も、ファンも、ドキドキしながら耳を傾けた。
「最後に坂本にひとこと言いたい。前から言いたかったんだけど、お前のその懇切丁寧な気遣いは何なんだよ! 介護してんじゃねぇ! いいか、お前は勘違いしている! 何から何まで片方が負担するのは、ニコイチとは言わねぇ! 俺は疲れて歩けなくなったんだから、黙って捨ててけ! おんぶしてんじゃねぇ。じゃないと、いつまでたっても、自分で歩けねえだろ。こんなところで止まらず、先に進んでくれ。俺もお前に頼らず、今度は自分の力で歩いていく。いずれ対等になるから! そのときはなんかの形でまた会うべ。ひとこと、終わり!」
聞き終えるやいなや「うわぁぁぁぁ、恥ずかしいよぉぉぉ! こいつは何を言ってるんだ、恥ずかしいよぉぉぉお!!!」と叫びまくる坂本。いつもならそのまま照れ隠しを続けるところだが、今回は最終回。真面目に録音した西郷の言葉に向き合う。仕事でのつながりではなく、友だちだからこそ、担いででも一緒に歩いていこうとしたこと。坂本にとって「ニコイチ」とは共倒れも覚悟の“愛”だったのだ。
そんな坂本に西郷が提案したのは、隣を同じ歩調で進む「ニコイチ」。それは、まるでヒモで縛らない二人三脚。疲れたら休み、回復したら、またスクラムを組んで走ればいい。ただ、1人が休んでいる間も、肩を組み続ける必要はない。ましてや、もう1人が担いで走る必要はないということ。
言われてみれば「ニコイチ」ではなく「コモチ(子持ち)」のように、西郷に接していたと振り返る坂本。「歩けるのか、ひとりで?」と、しばらくは過保護な視線は抜けきれないようだが、そんな坂本が最後に詠んだ1句が「2人旅 道は分かれど すぐ横に」だった。
坂本が最も照れる「お涙ごっつぁん」な展開となった最終回。だが、これが終わりではなく、仕切り直しだということが十分伝わってきた前向きな配信に救われた。きっと幕末志士とファンの関係も対等に仕切り直すチャンス。「この時間が終わらなければいいのに」と思える時間をくれた感謝を、スーパーチャットで少しでも返せたのは、せめてもの救いだ。だが、西郷が言ったように、孝行をしきれたと思う日は来ない。こちらも、まだ返しきれていない気分なのだから、ぜひまた何かの形で戻ってきてもらわないと困るのだ。その日まで、アーカイブ動画を何度も見直して待つとしよう。この先の人生に、“また会いたい2人の友がいる“と思える幸せを噛み締めながら。