Elgatoの発表会「Wave Next」は何がスゴかったのか 『Wave Link』の進化と独自プロセッサー「Wave FX」の注目ポイントを解説

Elgato「Wave Next」注目ポイントを解説

 3月11日、Elgatoは新宿コクーンタワーにて新製品発表会「Wave Next」を開催した。数年の準備期間を経て発表された今回のラインナップは、ハードウェアとソフトウェアを高度に融合させることで、これまでのオーディオ処理のあり方を刷新する次世代のスタンダードを目指している。

 数多くの製品・システムが登場したなかで、注目したいのはミキシングソフトウェア『Wave Link』の最新バージョン3.0と、各製品に搭載されたプロセッサー「Wave FX」だ。発表会を通して示されたElgatoのビジョンと合わせてレポートしていく。

「オーディオ管理の真ん中にElgatoを置く」ビジョン

 発表会の冒頭、Elgatoの日本マーケティングマネージャーを務める田宮氏は、同ブランドのオーディオシリーズ「Wave」が2020年にスタートして以来、一貫して掲げてきたビジョンについて言及した。

 田宮氏は、「我々のプロダクトは発売から数年経っても時代遅れになることはない」と語る。その根拠となっているのが、ミキシングソフトウェア『Wave Link』の存在だ。Wave Linkは、複数のオーディオソースを仮想的なチャンネルにまとめ、配信者用とモニター用の2つの異なるミックスをリアルタイムで生成できるツールだ。

 今回の発表会で強調されたのは、この『Wave Link』がさらなる進化を遂げたこと。そして、Elgatoがオーディオブランド・LEWITTと共同開発した独自プロセッサー「Wave FX」によって、VSTエフェクトのルーティングや遅延の問題といった、複雑になりがちだった「ソフト・ハード構成の悩み」を解決したという点だ。

 これまでのオーディオ処理は、異なるハードウェアを経由させたりソフトウェアを起動させたりする都合でPC側のCPUにかかる負担が大きく、高負荷なエフェクトを重ねることが遅延やノイズの原因となっていた。しかし、新製品群に共通して搭載された専用プロセッサー「Wave FX」は、マイクやオーディオインターフェースの内部でそれらの処理を完結させる。

 田宮氏は「PCのスペックに依存することなく、デバイス側のチップにすべてを任せることができる」と説明する。これにより、ユーザーはPCのリソースをゲームや配信ソフトに“全振り”しながら、プロクオリティの音響処理を享受できるようになった。中でも「VST Insert」は、マイク入力に対して仮想オーディオ出力を経由することなくVSTプラグインの処理を噛ませることができるという機能で、従来の仮想オーディオ出力を手動で設定する煩わしさからユーザーを解放する画期的な進化といえるだろう。

 同じく「Wave FX」で追加された「Clip Guard 2.0」「DSPエフェクト」といった新機能も魅力的だ。特に「Clip Guard 2.0」は過去にも搭載されていたクリップガード機能をさらに進化させたもので、一言でいえば「音割れを防いでくれる」というもの。入力レベルが低い音を増幅するのは簡単でも、一度割れてしまった音を復元するのは難しいため、「聴き心地の良い音」を目指すのであればぜひ活用したい機能だ。

 また田宮氏は、2020年にElgato製品を購入したユーザーが当時よりも多くの機能を使えるようになっている現状を引き合いに出し、ソフトウェアがいかにハードウェアの価値を持続させているかについても語った。バージョン3.0以降の『Wave Link』はElgatoのハードウェアを所有していなくとも使えるため、他社製の機材を使用している人でも利用できるのはうれしいポイントだ。

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