『攻殻機動隊』の世界が5Gでリアルに味わえるーー「au 5G × 『攻殻機動隊 SAC_2045』」が生み出した“新たな体験”
士郎正宗が原作を手掛けた人気SFシリーズの最新作『攻殻機動隊 SAC_2045』がNetflixで全世界配信を開始し話題だ。
今回の『攻殻機動隊』の舞台は2045年。経済を持続的に回すための戦争「サスティナブル・ウォー」が大国の利益のために行われている未来で、草薙たち公安9課は解散し、傭兵として各地の紛争を渡り歩いているという設定だ。そして、ポスト・ヒューマンという新たな脅威が台頭、これに対処するため、草薙素子をはじめお馴染みのメンバーが再び公安9課を結成、新時代の敵に立ち向かう姿を描いている。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の神山健治監督と『APPLESEED』の荒牧伸志監督が共同で監督を務め、一般的な日本のアニメとは異なる、リアル志向のフル3DCGで制作された意欲あふれる作品だ。
本作の配信開始に合わせ、KDDIとのコラボキャンペーン「au 5G × 『攻殻機動隊 SAC_2045』」が開催されている。これは現実とバーチャルをつなぎ合わせて、新しい文化を生み出すことを掲げる「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」の一環。電脳空間が現実を融合してゆく『攻殻機動隊』の世界のように、VRやARなどの最新技術を用いて渋谷の街を塗り替え、新たな時代のエンタメを創出してゆこうという企画だ。本来は、渋谷の街で展開するはずだったものだが、新型コロナウイルスの影響を鑑み自宅でも利用可能なように解放している。
このコラボは、ただの宣伝キャンペーンにとどまらず、『攻殻機動隊』の世界を身を持って体感させてくれ、作品の本質を掘り下げてくれるものだ。
作品への理解を実体験で深めてくれるコンテンツ
「au 5G × 『攻殻機動隊 SAC_2045』」は様々なコンテンツを用意しているが、とりわけ作品世界の理解を深めてくれるのは「タチコマAR」とVRを利用したショートストーリー「渋谷複合現実化ミッション」だ。
タチコマARは、『攻殻機動隊』に登場するAIを搭載した思考戦車・タチコマを任意の場所に出現させることができる。外見に似合わない可愛い喋り口調のギャップで人気のタチコマを、自宅の部屋やお気に入りの公園など、スマートフォンを通して現実空間に召喚し、写真や動画に収めることができるのだ。
利用方法は、専用のARアプリ「STYLY」をダウンロードし、こちらのリンク(http://kokaku.shibuya5g.org/ar/index.html)の一番下「タチコマARを体験」をクリックすると、STYLYが立ち上がるので、ガイドに従って操作するだけだ。
アプリを立ち上げると、タチコマが飛び跳ねながら「こんにちは」と手を振りながら返事をしてくれる。本編にもある光学迷彩を解除したかのような登場の仕方が凝っている。一通りのアクションをこなして最後に、「君にはゴーストの囁きが聞こえる?」と問いかけ、再び光学迷彩をまとったように消えていく。『攻殻機動隊』シリーズを見続けてきた人にとっては、このシチュエーションは本シリーズの重要なテーマに触れるものだとわかるだろう。人間ではない思考するAIのタチコマが、人間だけが持つとされるゴーストに興味を持っているのだ。短い質問だが、そこには本作の重要なテーマである、テクノロジーが発展した未来における人間とは何か、の問いかけがさらりと潜んでいる。