ポストコロナは“自動運転車”の時代となるか カリフォルニアで無人配達車が公道試験走行へ

ポストコロナは“自動運転車”の時代?

 つい2ヶ月前、私はNuroという完全無人自動運転車がアメリカの公道で配達サービスの許可を得たというニュースをお伝えしましたが、The Vergeによると、先日、カリフォルニアの公道でもテスト運転の許可が下りたそうです。カリフォルニアで無人配達ロボットを走らせる許可を得たのは、Waymoに続いて2社目となります。

カリフォルニアを走れるのは2台、最大速度時速25マイル

 アリゾナ州とテキサス州で食料品の無人配達サービスをテストしたNuroは、新たに2台の無人小型配達車をテストする権限を与えられることとなりました。テストエリアは、シリコンバレー周辺。具体的にはアサートン、イーストパロアルト、ロスアルトス、ロスアルトスヒルズ、メンロパーク、マウンテンビュー、パロアルト、サニーベール、ウッドサイドの9カ所のベイエリアだそうです。

 また、次の条件も適応されます。まず、運転していいのは晴れた日のみ。そして制限速度35マイル(時速約56キロ)以下の道路を、最大速度時速25マイル(時速約40キロ)で走るよう定められているそうです。DMVの管理者であるスティーブ・ゴードン氏は次のように語っています。

「自動車の公衆安全がDMVの最優先事項なので、そう簡単に許可を与えることはありません。Nuroはカリフォルニア州の行動で無人配達車両をテストする許可を得るだけの要件をみてしています」

 ちなみに、簡単に与えられない許可ですが、DMVによると以下の7項目をクリアする必要があるとのこと。

・500万ドル相当の保険または保証の証明を提出
・車両が運転手無しでも動作できること、連邦自動車安全基準を満たしていること/国家道路交通安全局から免除されていること、SAEレベル4もしくは5の車両であることの確認
・車両が運転計画区域をシミュレートした制御された条件下で試験されている
・該当地域における試験計画を地方自治体に通知
・法執行機関と他の第一対応者に、試験車両とどのように関係するのかの法執行相互作用計画を策定
・試験車両の状態を継続的に監視
・試験対象の技術に関するリモート・オペレータの訓練

COVID-19のパンデミックが無人配達サービスの需要を高めた

 今回CAでテストの許可を得られたNuroのCEOであるデヴィッド・エストラーダ氏は、HPのブログでこのように綴っています。

「Nuroの創設のミッションである、ロボティクス与える便益を日常生活に、を今日ほどリアルに感じることはありませんでした。自動運転が道路の安全を改善し、消費者により便利に感じてもらえるだろうと信じていましたが、アメリカ人を感染から守る手助けをするサービスになるとは予想していませんでした。しかし、COVID-19のパンデミックが非接触配送サービスのニーズを加速させました。消費者が安全に家にいられるよう、我が社のR2フリートは食料品や医薬品、荷物を届けることができるのです」

テストは準備が整い次第

 アメリカでは屋内待避が言い渡されているので、人々は一刻も早いテスト運行とロールアウトを期待していると思われますが、テスト開始はカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏が屋内待避命令を解いてから。NuroのCEOであるデヴィッド・エストラーダ氏は、ブログへ下記のように書いています。

「Nuroは、今の屋内退避命令と自分たちの安全を保つことを最優先事項とした上で、公道テストを開始する日に向けて積極的に取り組んでいくつもりです。近隣の都市や郡の住民が道路上でR2を見れる日がすぐにやってくることを望んでいます」

 Nuroの創設者は元Googleのエンジニアのふたりで、本拠地はシリコンバレーです。今回テストするマウンテンビューとその周辺地域では、トヨタのプリウスを使ったアシスタントドライバーありの自動運転がテストされていました。つまり、住民は自動運転車両に馴染みがあります。R2の試験運転が始まれば歓迎されることでしょう。

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