ヒカキン、釣りよかにヒカルも YouTuberが“コロナ対策”を打ち出す社会的意義
新型コロナウイルスの脅威によって、私たちの日常は今、大きく揺らいでいる。同じ日常を生き、その日常をいわば切り売りする形で情報を発信しているYouTuberたちも、当然ながら、無関係ではいられない。各々が何らかの対策を講じ、この難局に立ち向かい始めている。
佐賀県を拠点に活動する釣り系YouTuberグループ「釣りよかでしょう。」は、3月30日に投稿した動画で「1ヶ月の活動休止」を発表。東京都の小池都知事が、(1)「換気の悪い“密”閉空間」、(2)「多数が集まる“密”集場所」、(3)「間近で会話や発声をする“密”接場面」からなる「3密」の回避を呼びかけたことは記憶に新しいが、海や川で釣りに興じる彼らにとって、(3)以外は無関係に見える。
しかし、リーダーのよーらいは「この自粛ムードの中、俺らが『外出てるし良いじゃん』みたいになっても嫌だ」と述べ、「地方のほうが危機感がないので、地方も危ないよっていう」と警鐘を鳴らした。「いっぱい予定があったけどすべてキャンセルして、動画を撮るのもやめる」「外に出たり人と会うことも完全にやめる」と宣言しているが、警鐘を鳴らしつつ、あくまで軽やかに、不安を過剰に煽らない柔らかなムードが、彼らの大きな魅力だ。
グループYouTuberにとって「3密の回避」は難しい課題だ。3月30日より、テレビ各局の情報番組では、共演者同士が一定の距離を取るスタイルを試みている。しかし、テレビスタジオほど空間的余裕のないグループYouTuberの配信部屋では、それが難しい場合のほうが多い。
そんな「3密の回避」に向けて「テレワーク」というアプローチを実践したのが、人気YouTuberグループのアバンティーズだ。
アバンティーズは3月29日、「テレワークYouTuberになります。」と題した動画を投稿。リーダーのそらちぃは「今、日本がこのような状況になっていまして、会いたいけど会えない状況じゃないですか」と言い、「僕たちが合えない状況下でも動画を撮るにはどうしたら良いのか……リモートワークで動画を撮れば良いんですよ」として、各々の自室からWEB会議のような形式でメンバー間のコミュニケーションを試みた。
テレワークYouTuberとして最初に挑戦したのは、遠隔スイカ割り。メンバーのツリメが目隠しをして、その様子をPC画面上で見た他の2人からの指示を受けながら、スイカ(に見たてた風船)を割るというゲーム企画だ。企画を終えると、そらちぃは「遊び方次第ではすごい面白いことがたくさんできそうだと思った」と手ごたえを感じている様子。今の時代、リアルに集まらなくても、友達同士つながって楽しむ方法なんていくらでもある……そんな3人からのメッセージが伝わってくるような内容だった。