嵐、YouTube配信に登場し全国にエール 人々の希望を呼び起こす“国民的アイドル”の力

 桜の映像をバックに披露されたのは〈思い出を抱きしめながら 僕たちは歩いてゆくよ〉と歌う「season」。大きな不安を抱えながら、卒業や新生活を迎えた人たちに向けて、笑顔のエネルギーを届けようとする5人の姿が印象的だ。くるりと振り返ると、誰もいない客席が映し出される。だが、次の瞬間ペンライトを思い出させるような光の海が広がる。その流れは、直接会えなかったとしても、思い出が人と自分をつないでいることを教えてくれるようだ。それは、ファンとアーティストだけではなく、会いたい人がいるすべての人たちにも通じる。例え、会えずに離れ離れになったとしても、心の中でいつもそばにいるのだ。

 「それじゃ行ってみようか、We sre 嵐!」続く2曲目は、彼らのデビューシングル「A・RA・SHI」だ。1999年にリリースされたこの曲は、何百回、何千回と歌われてきたにも関わらず、彼らの歌う姿は今も変わらずフレッシュで楽しそうだ。20年、振り返れば様々な困難があった。そのたびに、ジャニーズは手を繋いで助け合うことを呼びかけてきた。今回は、あえて距離を取ることで、乗り越えていける。そんな呼びかけに聞こえてくる。

 「これを見ているあなた! あなたの笑顔を我々は見たいんだ! 歌えっ!!」という二宮の力強い煽りに、ライブ会場にいる感覚に引き込まれる。聞こえてきたのは、おなじみの「Happiness」だ。大野と櫻井は肩を組んで見つめ合い、相葉と二宮がキャッキャしながら、少し離れたところにいる松本に手を振る。そんなおなじみの嵐の姿に、私たちは心底ホッとする。この混乱の時期に、嵐が活動を休止していなくてよかったと、胸をなでおろす気分だ。アイドルとは笑顔の伝播を起こす原動力。そして〈止めないで 止めないで ずっと信じる気持ち〉と人々の希望を呼び起こす存在だと改めて実感した。

 ライブパフォーマンスのあとは、手洗いの歌とダンスのレクチャー、そして5人がしっかりと手洗いを実践する映像も添えられていた。「なかなか自分のやりたいようにできない日々かもしれませんが、今できることは自分たちで自分の身を守ってほしいなと思います」と松本が語りかけたように、この厳しい状況を少しでも良い方向へと導くのは、私たち自身。自分にできることから、ひとつずつ。彼らの歌を励みに、取り組んでいこう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる