ハイレゾストリーミングサービスは5G時代でさらなる展開へ? スタッフ&有識者に聞いてみた
最後に「アルバム聴きの文化など、音楽ストリーミングサービスが”体験するもの”として新たな局面に入ってきている」と同氏は語る。
「ストリーミングサービスでは、アルバム単位でなく、プレイリストをはじめとした単曲聴きの文化が広がっています。しかし、イギリスでは1年くらい前から“アルバムの日”を設定し、街の至るどころで試聴会や展示会、ポップアップストアといった催しを展開していて、そこにハイレゾ系のサービスがスポンサーとして入っているように、ハイレゾを扱うサービスが”体験”をウリにする催しやサービスとコラボすることが少なくありません。僕個人の見立てですが、ハイレゾ音源は試聴機で聴くだけだと伝わりづらい。例えば、アメリカで人気の『Genius』という曲の歌詞と解説を載せているサイトが、動画で楽曲制作の裏側などを伝えはじめたように、一般のリスナーに『音楽の作られ方や深いところを知っていく探究心』が備わってきたように思えます。ハイレゾ音源は細かい検証にうってつけの音源であるため、そういったストーリーをなぞることとセットで訴求するなど、体験をベースにしたプロモーションができてくれば、さらに広がりを見せていくことでしょう」
通信規格の進化や体験の価値向上など、様々な局面から追い風を受けている”高音質ストリーミングでの楽曲聴取”。『mora qualitas』のスマートフォン対応などを待ちつつ、2020年以降には高音質を手軽に、より楽しめる環境が整備されるのを楽しみにしたい。
(取材・文=中村拓海)
■サービス概要
『mora qualitas』
配信形態:月額・定額制ストリーミング配信
価格:1,980 円(税抜)/月
配信型式:Lossless ストリーミング
音質:24bit/44.1〜96kHz(ハイレゾ)、16bit/44.1kHz(CD音質)
ファイルフォーマット:FLAC
デバイス:PC(Windows、Mac)
※将来的には、スマートフォンなどのモバイルデバイスへも対応予定
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