YouTubeの“車購入動画”はなぜ人気? 前澤友作氏からラファエルまで、車選びに表れるキャラクター
12月8日、ZOZOの創業者・前澤友作氏が自身のYouTubeチャンネルに、日本初上陸のスーパーカー「ケーニグゼグ ジェスコ」の内覧会に赴く動画を投稿して話題になっている。「若者の車離れ」が叫ばれて久しい昨今、自家用車をデートのためのツールと捉えたり、社会的地位を示す勲章と考えたりする傾向は昔より希薄になったのかもしれない。しかし、なかなかお目にかかれない高級車のロマンは今も健在で、人気者の“車選び”へのこだわりに、多くの注目が集まっている。
前澤氏は「ジュネーブ・モーターショー2019」で前出の「ジェスコ」に一目惚れ。既に購入も済ませているらしく、お値段なんと3億8000万円超。待望の再会を果たし、前澤氏は「すっげ、宇宙船だね。これ」と終始ご満悦の様子だ。これまでに何台も高級車を買っているものの「売るつもりはない。ずっと持っておきたいんだよね」と言い、「少年の頃、ミニカーを並べたじゃん?それが大人になっただけっていうね」と目を輝かせた。
前澤氏はYouTubeで、その“非日常的な日常”を動画として発信しており、今回のような規格外の高級車は格好のネタだと言える。それは、「日常」をエンターテイメントとして提供している売れっ子YouTuberにとっても同様で、彼らは愛車の購入を報告する動画を度々公開している。
たとえば最近だと、6人組の人気YouTuberグループ・東海オンエアのりょうが12月6日、スタイリッシュなデザインの英国産高級車「アストンマーティン DB11Volante」を購入する動画を投稿している。動画では、アストンマーティンのオーナーしか通されない「オーナーズラウンジ」の中も公開。総額2000万円の英国製家具で統一されたクラシックの音色が流れるラグジュアリーな空間で、りょうはオーナーしか座れないフカフカソファーのVIP席に腰を下ろし、フレンチのフルコースを堪能していた。
同じく東海オンエアの虫眼鏡も11月13日に、シックでモダンなトヨタの高級車「レクサスLS」の納車を動画で報告している。動画に映し出されていたのは、納車セレモニーの様子。30名以上に及ぶショールームのスタッフに囲まれながら、おっかなびっくりに花束を受け取ったり、テープカットをしたりする虫眼鏡の姿が実に初々しい。その虫眼鏡のセレモニーに同席したグループのリーダー・てつやも今年4月に、メンバーカラーのオレンジ色に光り輝く「BMW i8 ロードスター」の納車を動画化し、大きな話題になった。
なお、りょう曰く、東海オンエアには「車種が被るとダメ」という謎のルールがあるらしく、その決まりもあって、派手好きのてつや、スタイリッシュなりょう、堅実な虫眼鏡と、選ぶ車種で個性が見て取れるのも、ファンにとっては面白いところだ。
普通はなかなか手が出ない高級車ではあるが、“好きな車を買う”ことにワクワクしているクリエイターの姿は、微笑ましくもある。一方で、こうした高級車を自身のブランディングにうまく役立てているのが、羽振りの良さで有名なYouTuber・ラファエルとヒカルだ。
ラファエルの自家用車は、3000万円相当のランボルギーニ。ラファエルは「ランボルギーニの屋根勝手に切ってオープンカーにしてみた」「ランボルギーニ勝手に売ってみた」「ランボルギーニ勝手に色変えてみた」と、愛車を何度もドッキリ企画に使っている。
一方のヒカルも、5000万円するロールス・ロイスをラファエルの策略で勝手に買われるというドッキリを仕掛けられ、あっけにとられながらも最終的にはサラッと購入するという動画を投稿。両者ともに、高級車を無茶なドッキリ(それも毎回大がかりな)のツールとして活用することで、“金持ちYouTuber”というブランディングに成功している。