5G対応iPhoneは2020年には間に合わない? 通信新時代はGoogle Stadiaに有利か

5G対応iPhoneは2020年には間に合わない?

5G時代はGoogle Stadiaが有利?

 ところで、Appleのようなプラットフォーマーが5Gに対応することによって生じるメリットとは何だろうか。そのメリットは多数考えられるが、もっとも注目されるのが高品質なゲームサービスを提供できるようになることだ。大容量で通信遅延の小さい5Gを利用すれば、4K画質やVRといった負荷の大きい描画処理を要求するゲームをオンラインで提供することができる。こうした高負荷なゲームをプレイするには、従来ではハイスペックなPCやゲーム機が必要であった。しかし、5G時代では負荷の大きい処理をクラウドサーバで実行することによって、ユーザがプレイするデバイスの要求仕様を下げることも可能となる。その結果、5G時代ではデバイスに縛られないオンラインマルチプレイが実現するのだ。

 こうした5Gのメリットを最大限に生かすものとして考えられているのが、ゲームストリーミングサービスである。具体的には、Googleが発表した「stadia」とAppleの「Apple Arcade」がこの種類のサービスに該当する。このふたつのサービスの特徴を比較すると、どうやらstadiaのほうがより5G時代に相応しいと見ることができる。なぜならば、stadiaはGoogleが所有する巨大なクラウドサーバを活用するサービスなのに対し、オフラインでもプレイできることをセールスポイントとしているApple Arcade は5Gのメリットを最大限に引き出しているわけではないからである。

 5G時代が本格的に到来すれば、様々なテック系サービスで大きな地殻変動が起こることが予想される。名実ともに世界的ブランドであるAppleであっても、5G対応が過度に遅れたり5Gを最大限に生かすサービスの構築に失敗すれば、現在の地位を維持することは難しくなるだろう。

トップ画像出典:Apple Arcade公式ページとstadia開発者ブログ記事から画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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