Appleの新サービスたちに勝算はあるのか? 競合多い『Apple TV+』などを改めて分析
Apple社が日本時間の3月26日に開催した『Apple Event』にて、『Apple TV+』『Apple News+』『Apple Arcade』『Apple Card』と4つの新サービスを発表した。
これまで自社のイベント・発表会では必ず新たなハードのお披露目を中心にプレゼンテーションしてきたAppleだが、今回はイベントに先駆けて新たなiPad AirやiPad mini、iMac、Airpodsといった新ハードをアナウンスし、イベント本番ではサービスの発表に終始した。これまでのハード中心だったアップルからの方針転換ともいえる内容について、デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏に話を聞いた。
「Appleは長年ハードの会社というイメージが定着してきました。ですので、サービスをメインで発表会をするということは、これまでになかった流れですし、社内でもサブスクリプションサービスが重要だという考え方に変わってきているということでしょう。これはハードの売り上げを無視するといったことより、消費者の消費行動がサービス軸に移り変わってきていることが大きく影響していると思います。物を買って消費するよりも、サブスクリプションを経由してコンテンツを楽しむことが当たり前になった現在に合わせた戦略転換といえます」
そのうえで、ジェイ氏はインパクトの大きかったサービスに『Apple TV+』を挙げた。
「スティーブン・スピルバーグやJ・J・エイブラムスの協力を得てプレゼンテーションした『Apple TV+』は、一番インパクトがありましたね。この領域はNetflixやHulu、Amazon Prime、YouTube Premiumなど、競争とイノベーションが起きているところですし、ここに挑むのは大きな挑戦です。勝つためには、コンテンツ力・制作力がなにより重要になるでしょうし、Appleはこれに成功すれば、クリエイティブカンパニーとしてもう一段上の領域に到達するでしょう」