iPhoneでの高音質録音にも対応 変わり種ながら重宝しそうなマイク4選
毎回気になる楽器や機材を紹介する本コラム、今月は、ちょっと変わり種ながら、とても重宝しそうなマイクをピックアップする。
ZOOM iQ6とiQ7
外出している時など、ふと「今、この音を録音できたらいいのにな」と思うことはないだろうか。iPhoneを持っている人なら、ボイスメモなどのアプリを使うこともあるだろう。確かに、最近は内蔵マイクの性能も良くなったし、例えば取材や会議の様子などを「メモ」程度に録音するならそれでも事足りる。とはいえ、内臓マイクはモノラルだし、「もっといい音でステレオ録音したかったな」と悔しい思いをすることも多い。
そんな人たちに朗報だ。ZOOMから、iPhone/iPad/iPod touch用のマイクが2種類発売されている。その名もZOOM iQ6とiQ7。どちらも世界初のLightningコネクター対応。iQ6はXY型マイク、iQ7はMS(Mid-Side)ステレオマイクになっており、どちらもメーカー希望小売価格10,800円(税抜き)と非常にお手頃だ。
XY型マイクというのは、2つのマイクがクロスしており、右のマイクで左の方向を、左のマイクで右の方向を録音する構造。狙う対象を絞り込みたいのか、それとも空間全体を集音したいのかによって、マイクの角度を90度と120度に変更できるのが特徴だ。一方、MS(Mid-Side)ステレオマイクというのは、正面を向けるMidマイクと、左右を捉えるSideマイクの2つを組み合わせて録音する。それを、後から専用のソフト「MS Decoder」を使って30度~150度の範囲で音を広げることが可能なのだ。
どちらがいいかは使う人の用途次第だが、より細かく設定できるぶん後者の方がマニア向けといえるかも知れない。上位のICレコーダーとして、あるいはかなり本格的なフィールドレコーディングまで幅広く使えるのは前者だろう。
本体マイクには入力ゲイン調整機能が搭載されており、内臓マイクやICレコーダーのように突然大きな音が鳴っても、ひび割れする心配はほとんどない。入力音量もレベルメーターで確認可能。また、本体にはヘッドホン出力もついているので、入力された音をリアルタイムで確認できる。さらに、風などによる「フカレ」防止用のウィンドウスクリーンも同梱されている。録音好きは要チェックだ。
Media Integration ZYLIA
もしもレコーディングスタジオの機能が1本のマイクに集約され、外に持ち出すことが出来たら……? ZYLIAは、そんな夢のようなコンセプトで作られたマイクである。
ZYLIAには19ものマイク・カプセルを搭載しており、360度全てのオーディオを捉えることができる。さらにそのオーディオデータを、独自のサウンド・ソース分離技術により、専用のソフトウェア「ZYLIA Studio」が楽器やボーカルといった素材ごとに、個別のトラックを生成するという。
通常「マイク1本を使った一発録り」といえば、後からボーカルだけを上げたり、ギターのEQを調整したりすることが出来ないため、マイクを立てる位置や、楽器の配置、それぞれの楽器の音量など、録音前にしっかり決めておかなければならなかった。要するに、かなり専門的なエンジニアリングの知識が必要とされたのだが、ZYLIAがあれば誰もが簡単に「一発録り」を行うことが出来るのだ。
練習スタジオで、ちょっとしたプリプロダクションやデモ・レコーディング、もしくは一発録りの本格的なレコーディングまで行うことが出来るし、360度レコーディング機能を活かした臨場感たっぷりのライブレコーディングなども楽しめそうだ。
LEWITT DGT 450
LEWITT DGT 450は、iOS/Mac、Windowsに対応したゼロレイテンシーのダイレクトモニタリングが可能な、lightningコネクター搭載多機能USBマイク。24ビット/96kHzの高音質対応のほか、パワフルなヘッドフォンアンプを搭載しており、ボーカル録音はもちろん、ギターアンプからの音など大音量でもクリアな集音が可能だ。
本機には、iOS対応のレコーディングアプリLewitt Recorderが含まれており、ポッドキャストからゲーム実況、ホームスタジオレコーディングなども気軽に行える。コントロールセンター(PC、Macに対応)を使用すればホストデバイスからすべてのパラメーターをコントロールできるのも便利だ。