キズナアイや電脳少女シロもプレイ 音ゲーファンから見たVRゲーム『Beat Saber』の魅力

VR音ゲー『Beat Saber』の魅力

 VR音楽ゲーム『Beat Saber』が、Valveの発表した「2018年のSteam年間VRゲーム売り上げ上位作品ベスト100」において、プラチナ(1~12位)に輝いた。

 『Beat Saber』は、VRヘッドセットと連動した2本のハンドコントローラーを"光る剣”として使用し、楽曲に合わせてに画面奥から出現するブロックを斬っていくというゲーム。公開直後から圧倒的な高評価を集め、発売からわずか1週間で5万本の売り上げを記録。以降も海外ユーザーを中心に人気を博し、日本ではキズナアイや電脳少女シロがプレイした動画も話題になっている。

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 しかし、海外ですでに始まったPSVRへの配信について、まだ日本では対応しておらず、現状はSteamを含むPC版をプレイするほかない。韓国ではアーケード版開発のニュースも報じられているが、すぐに日本に入ってくるとは考えない方がいいだろう。というのも、日本は様々な音楽ゲームを開発し、世界へと展開した“音楽ゲーム先進国”。ゲームセンターには常に強者たちが列をなしている。ユーザーの目も肥えていれば、常に戦場となっているゲームセンターでの展開も難しいかもしれない。

 そんな『Beat Saber』だが、筆者は一度上海に出向いた際、VRアーケードでプレイした経験がある。もともと音楽ゲームのヘビーユーザーだったため、どんなものかと思ってプレイしてみたが、これがまあ面白いのなんの。初級者用の譜面は剣をリズムに合わせて振り下ろすだけで成立するが、上級者用の「HARD」や「EXPERT」譜面になってくると、ブロックを切るだけでなく、途中でやってくる障害物もかがんだりステップを踏んだりして避けながらアクションしなければならないうえ、ブロックが持つ矢印もかなり複雑になってくるし、判定もしっかり「切り上げた」「切りつけた」「横に薙いだ」という部分まで取ってくれる。

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 ただ、タイミングの判定はやや甘めなので、音ゲー上級者であれば、初見でも難易度の高い譜面をクリアすることは可能。実際に筆者も初プレイで「EXPERT」の楽曲をクリアすることができた。もう少し人間の限界に近づいた譜面があればと思うが、これはこれでライト層がプレイするゲームとしては見た目もキャッチーだし、何より没入感がすごくて楽しいという感覚が先にやってくるため、音楽ゲーム業界にとっても、新たなユーザーを獲得できるゲームとして日本でも十二分に機能する可能性があるだろう。

 ちなみにこの『Beat Saber』、開発側が配信している公式曲ではなく、ユーザーが作成した曲や譜面を共有することができるコミュニティデータベースも存在する。権利関係についてはどのように処理しているかわからないうえ、「これはグレーでは?」というものもあり(これが日本での展開を阻んでいるのかもしれない)、どこか往年の『BMS』文化を彷彿とさせる。

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