2018年のインスタグラム流行語を徹底解剖 進化する“言葉遊び”についていけるか!?

 「きょコ」、「ヨルグラ、モニグラ」なども挙げられたが、興味深いことにジャンル別で流行ったワードと言えよう。「きょコ」とは今日のコーディネートという意味である。少し前までは「#ootd」「#今日のコーデ」「#お洒落さんと繋がりたい」などが主流であったファッション系の投稿のハッシュタグ。「#お洒落さんと繋がりたい」は度々ネタにされることが多いことから、知っている人も多いだろう。しかしこれらのハッシュタグは有名になりすぎてしまって、総投稿数が膨大な数になる。総投稿数が多いハッシュタグでは、自分の投稿を誰かに見つけてもらうことが困難になり、業者・スパムアカウントが多くタグの魅力が失われてしまっているものもあるため派生して新しく誕生したタグが「#きょコ」だったのではないかと推測する。「きょコ」を見れば自分の好きな系統の、本当のお洒落なポストを見ることができる。自分も「きょコ」をつければ、似たようなユーザーに見つけてもらえる。などハッシュタグは徐々に界隈ごとにジャンル分けされたメジャーハッシュタグが生まれていると言えよう。

 同じように「ヨルグラ、モニグラ」は手帳での自己管理や勉強アカウントでの自己管理によく使われるタグである。その日の記録を計測し、毎日定時にルーティンでアップするアカウントが多く使用しているイメージだ。朝投稿する行為を「モニグラ」、夜は「ヨルグラ」となり使用される。こちらも勉強や自己実現をテーマにしたアカウントが多いことから、なんとなくのユーザーの嗜好、性格、生活スタイルに合わせてトレンドのハッシュタグが変わってくることがわかる。今後もトレンドハッシュタグの細分化が進むと、ジャンルごとに力を持つワードが変化することが計測できるだろう。

 今回のInstagramトレンドワード20でわかることは、Instagramで計測したワードは必ずしも流行語や口語のトレンドワードと同じになるわけではないということだ。そしてInstagramはよりジャンルが細分化され、それぞれのジャンルでのインフルエンサーが誕生し始めている。今やその住み分けや、ジャンルごとのトレンドワードを捉えることがさらなるマーケティングの肝になるだろう。進化する言葉遊びについていく体力こそが、今後のトレンドを牽引する存在になれるのだ。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

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