11月で最も売れたiPhoneは「iPhoneXR」 しかし、iPhoneの未来には一抹の不安が……

11月で最も売れたiPhoneは「iPhoneXR」

5Gに慎重で大丈夫?

 以上のようにiPhoneは新旧機種とも売れているのだからAppleは安泰かと言えば、そうは言いきれない事情がある。同社の未来に一抹の不安を感じさせる懸念事項として、5G対応が指摘できる。同社の5G対応に関しては、3日、ブルームバーグが詳しく報じている。同メディアによれば、同社は少なくとも2020年までは5G対応を保留する、と5G対応計画に関わっている匿名の関係者が述べたのだ。

 同社は、歴史的に新通信規格への対応を慎重に進めてきた。例えば3Gおよび4G時代には、これらの通信規格が導入されて1年ほど経過してから対応してきた。こうした慎重姿勢の理由は、新通信規格導入初期には通信サービス範囲が不十分なことにより、ユーザは新通信規格に対応した製品にすぐには飛びつかないと判断していたからであった。

 しかし、今度の最新通信規格である5Gとその対応製品の普及は急速に進むと予想されている。この予想をふまえたうえで、調査会社大手ガートナーのアナリストMark Hung氏は「Appleはこれまで新通信規格の対応に慎重であっても、大きな影響はありませんでした。しかし、5Gは今までよりも容易く市場に普及するでしょう。もしAppleが2020年を過ぎても5Gに対応しないようならば、私が思うに今度はAppleに大きな影響が出るでしょう」とコメントしている。

 5G対応に関しては、SamsungとLGが来年2月に開催される世界最大のスマホ見本市MWC(Mobile World Congress)で5Gスマホを発表する、という報道もある。対するAppleの5Gへの慎重姿勢が吉と出るか凶と出るかを見極めるには、しばしの時間が必要だろう。

トップ画像出典:Apple「iPhoneXR仕様解説」ページより画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。
Twitter:@kohkiyoshi

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