11月で最も売れたiPhoneは「iPhoneXR」 しかし、iPhoneの未来には一抹の不安が……
iPhone新機種の販売不調の噂が絶えないなか、ついにこの噂の真偽にけりをつける調査結果が公表された。とは言うものも、この噂に決着がついたとしても、iPhoneの未来を不透明なものとする暗雲が広がっているのも確かなようだ。
Androidユーザの流入も増加
Apple製品専門メディア『MacRumors』は、26日、調査会社CIRP(Consumer Intelligence Research Partnersの頭文字をとった略称)が発表したアメリカにおける11月のiPhone売上全体に対する機種別シェアを報じた。その発表によると、先月いちばん売れたのはiPhoneXRの32%であり、iPhoneXS Max、iPhoneXSと続く(下のグラフ参照)。先月報じられたApple幹部のiPhoneXRに関する発言は本当だったのだ。
画像出典:MacRumors「iPhone XR Accounted for an Estimated 32% of U.S. iPhone Sales in November」
CIRPの共同設立者にして同社のパートナーでもあるJosh Lowitz氏は、昨年はフラッグシップモデルのiPhoneXより先に低価格モデルのiPhone8/8 Plusをリリースしたことにより、低価格モデルの「買い控え」が発生したことをAppleは教訓としたことが今回の結果につながったと指摘している。つまり、今年は先にフラッグシップモデルのiPhoneXS/XS Maxを販売して忠誠心が強いiPhoneユーザを満足させた後に、低価格モデルをリリースしたことによって買い控えを回避できた、というわけである。
また、昨年11月にiPhoneへアップグレードしたユーザのうちでAndroid機種から流入したユーザは11%だったのに対し、今年は16%に上昇した。こうしたAndroid機種から流入したユーザは、iPhoneXRユーザとなった可能性が高い、とのこと。
下取りプログラムの効用
iPhone新機種の販売が決して不調ではないことに関してUS版Forbesは、26日、その原因を下取りプログラムにあると論じた記事を公開した。日本でも行われる下取りプログラム「Apple GiveBeck」とは、iPhone旧機種をAppleが下取りする代わりに新機種を安く購入できるというサービスだ。こうしたサービスが、新機種購入を後押ししていることは明らかである。
下取りプログラムの効用は、新機種購入を促進するだけに留まらない。その効用を知るには、iPhoneの旧機種は新機種より多く販売されているという事実を確認する必要がある。調査会社Counterpoint Researchが発表したレポートによると、下取り後に再度工場出荷状態に戻して販売されたiPhone旧機種が形成する市場は2017年に13%成長したのに対して、新機種のそれは3%であった。好調なiPhone旧機種販売に対して、下取りプログラムは在庫の強化に大きく貢献していると言える。