ポケモン、モンスターハンター、DDR……日本のゲーム×ハリウッド映画への期待

 少し前のことになるが、日本のゲーム『ダンス・ダンス・レボリューション』をハリウッドで実写化するという狂ったニュースが入ってきた。まだ企画を練っている段階のようだが、世界の破滅をダンスで救う話になるらしい。どんな映画だと疑問は湧くが、それはそれとして、観てみたいのも事実だ。

 他にも、つい先日『名探偵ピカチュウ』の非常に期待できる予告が公開された。“ポケモン”というデフォルメされたキャラクターをどう実写にするか? この命題を「ぬいぐるみと生き物の中間くらいのリアリティで描く」というアプローチで解決しているのは感心した。ちゃんとゲームのテイストを再現しつつ、1本の映画として面白そうになっている。「ゲーム映画もここまで来たか……」と感慨深い。他にも日本の人気ゲームの実写化企画が次々と動いている昨今、何か時代が動いている感があるので、この機会にゲーム映画の未来について書いておきたい。

POKÉMON Detective Pikachu - Official Trailer #1

 ーーと、意気込みを語ったところで早々に躓くが、ゲームの実写化と聞くと、ぶっちゃけ、私はまだ不安に思ってしまうタイプだ。そもそも映画とゲームは面白さの方向性が違う。遊ぶのがゲームであり、映画は見るだけだ。付け加えると、私は三十路なので実際にアレなことになった事例を目撃している。マリオがハリウッドを本気にさせちゃった『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(93年)や、ヴァン・ダムに「見に来てね!」と力強く訴えかけられた『ストリートファイター』(94年)、逆に日本からハリウッド映画に殴り込んだ『ファイナルファンタジー』(01年)も印象深い。“あのゲームがどんな風に映像化されているのだろう?”そう期待に胸を膨らませたクラスの同級生A君やB君と、「あれは何だったんだろう?」「ゲームと全然違う……」「ハラキリ!」「東洋の神秘、思い知ったか!」などと困惑したのは今も鮮明に覚えている。

 しかし、こういった事例は、もはや遠い昔の出来事だ(90年代って30年くらい前なんですよ。ゾッとしますね……)。最近は『アサシン クリード』(16年)、『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(18年)など、原作をなるべく尊重し、あの頃にA君やB君が期待したような「ゲームの再現」に力を入れている作品も増えている。こうした作り手側の意識の変化と共に、特殊効果やアクション設計など、技術面の向上も頼もしい。ゲームの再現だけではなく、映画としての面白さもドンドン上がっている。ゲーム映画は――もちろん全てが成功しているわけではないが――昔よりは確実に良い方向に向かっていると言えるだろう。最初に触れた『名探偵ピカチュウ』はゲーム映画の一つのターニングポイントになりそうな気もしている。また、私が個人的に注目しているのが、『モンスターハンター』の実写版だ。

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