出版業界に新たなビジネスチャンス? ストリーミングで活性化するオーディオブック市場

 タクシー車内に用意されたタブレットでオーディオブックを体験できる新たなサービス「本のない図書館タクシー」が話題になっている。このサービスは、”本が聴ける”オーディオブックを配信する「audiobook.jp」の運営元オトバンクと、東京最大手のタクシー会社、日本交通がコラボレーションしたものだ。「本のない図書館タクシー」は、出版不況が叫ばれる業界への起爆剤として期待されている。

 「本のない図書館タクシー」の運行エリアは、東京23区と武蔵野市、三鷹市のみ。10月29日から11月11日までの期間限定で運行している。キャンペーン中であれば、専用ウェブサイトからの事前予約に限り、10km以内のタクシー運賃と予約料金、迎車料金は無料だ。「本のない図書館タクシー」として、期間中に可動しているタクシーは3台。「本のない図書館タクシー」のロゴがサイドドアに描かれ、ひと目でそれとわかるカラフルなデザインになっている。

 ”本が聴ける”オーディオブックのいちばんの魅力は、時間を効率化し、耳だけで”ながら読書”ができることだ。これまで、タクシー内では、乗務員と世間話をしたり、カーラジオを聴いていたりして、移動時間を過ごしていたという方が大半だろう。タクシーの平均乗車時間は約18分。「本のない図書館タクシー」は、タクシーの移動というスキマ時間を有効活用したサービスといえる。

 オーディオブックは、最近出てきた音声コンテンツではない。1980年代には、新潮社が1985年に発売した新潮カセットブックが流行した。その後、媒体はカセットテープからCDへと変わり、現在ではサブスクリプションでの視聴が一般的となりつつある。ユーザー側も、スマートフォンが主流となった。現在、日本のオーディオブックを提供している主なサービスは次の通りである。

 まずは今回「本のない図書館タクシー」を仕掛けた「audiobook.jp」。オトバンクが運営する、日本最大のオーディオブック配信サービスだ。配信スタートは2007年と、実は業界内では老舗でもある。2018年3月には、前身の「FeBe」から「audiobook.jp」へとリニューアル。月額750円のサブスクリプションサービスを追加し、現在約25,000本のコンテンツを配信している。アプリはiOS、Androidに対応。PCからダウンロードし、iTunesなどの再生ソフトで楽しむこともできる。

 Amazon傘下の「Audible」も注目したいサービスだ。海外と国内のコンテンツを合わせ、約40万以上のタイトルを提供している。月額1,500円のサブスクリプション型サービスを、2015年から提供している。今年、8月にはサービスを一新。月額会員には、オーディオブックと交換できる「コイン」が毎月1つもらえるように変更された。また、会員以外でも単品購入が可能となった。アプリはiOS、Android、Windows10の3種類に対応。PCサイトではストリーミング再生として楽しめる。

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