ゲーム初主演で広がる、俳優・木村拓哉の可能性 『JUDGE EYES:死神の遺言』体験版プレイレポート

『JUDGE EYES』が広げる、俳優・木村拓哉の可能性

 木村拓哉が主人公を演じる、プレイステーション4向けゲームソフト『JUDGE EYES:死神の遺言』。大ヒットシリーズ『龍が如く』製作チームによる最新作ということもあり、すでにWeb上では、“キムタクが如く“という愛称で注目を集めている。12月13日の発売に先駆けてリリースされた体験版を、早速プレイしてみた。

 体験版から難易度を選択できるのは、筆者のようにゲーム初心者でも楽しめるうれしい気遣い。そして、なにより画面に映し出されるキャラクターの“キムタクらしい木村拓哉“に感動してしまった。当然ながらコントローラーのボタンを押すと、走る、殴る、蹴る、車の上に登る、自転車を持ち上る……自由自在に木村拓哉を動かすという感覚は、ゲームならではの新しい体験だ。

 しかも、舞台は『龍が如く』シリーズでおなじみの、東京・神室町。歌舞伎町をモデルとした、リアルな街並みの中を木村拓哉が縦横無尽に動き回るのだ。『龍が如く』では、この神室町にあるカラオケ店でキャラクターが歌ったり、ゲームセンターでUFOキャッチャーを楽しむ姿が、シリアスなメインストーリーに対していい息抜き要素となっていた。寡黙で男気のあるキャラクターが、羽目を外す姿が人間的魅力に繋がり、ファンを喜ばせる。

 “もしや、本作でも木村拓哉の歌声が聞けるのでは?“と、胸を踊らせて模索したのだが、そこはまだ体験版。ハンバーガーショップで軽く暴れられはしたものの、ほかのお店には入ることができなかった。“木村拓哉がこんなことを!?“という、シュールな展開が本作でどのくらい許されるのか。だが、思い返せば木村はラジオ『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』(TOKYO FM)では常々シモネタを全力で楽しんでいたし、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)でもコントとなれば、かなりハジけたキャラクターにも挑戦していた。“ペットのPちゃん“ばりにエロモード全開で大暴れする姿を期待してしまう。

 言わずもがな、メインストーリーは木村の主演映画と見紛うばかりのクオリティだ。木村が演じる八神隆之は、有罪率99.9%と言われる中、無罪を勝ち取ったヒーロー弁護士。だが、無罪にしたはずの人間が、恋人を殺して火を放ったという一報が入る。“絵美ちゃん“と呼ぶ八神と被害者の関係は? そして、弁護士をドロップアウトして探偵になった八神の目的とは? 果たしてどんな展開が待ち受けているのか、続きが気になって仕方がない。また、物語を盛り上げるのは谷原章介や中尾彬、ピエール瀧、滝藤賢一ら実力派俳優陣。ゲームはあまり得意ではない……というファンもサスペンスドラマとしても存分に楽しむことができそうだ。

 どうやら2018年の木村は、自らが1990年代から築き上げてきたヒーロー像を壊しにきているようだ。映画『検察側の罪人』では、正義の名のもとに、その強い信念ゆえに、一線を超えてしまう弱さを見事に表現した。その剛健ゆえの危うさは、これまでトップを走ってきた木村だからこそ見せられるもの。その色気漂う、狂気じみた眼差しは、これまで木村が演じてこなかったアウトローな作品でもっと見てみたいと思っていたところに本作というのは、感慨深い流れだ。

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